あとがき
市史編ししへんさん事業は、昭和五十三年から発足ほっそくして本年で十一年めを迎むかえました。この間、資料編しりょうへん四冊さつ、民俗編一冊、調査報告書ちょうさほうこくしょ一〇冊を刊行かんこうし、現在もなおいっそうの推進を図っているところです。このような中で、市制しせい二〇周年しゅうねんを記念きねんして「北本のむかしばなし」刊行の気運が高まり、編集委員へんしゅういいんの先生方をはじめ多くの方々のご協力きょうりょくのもとに、このたび刊行の運びになりました。本書は、これまでに刊行した資料編をもとにして、北本の伝説でんせつ・昔話むかしばなしや、歴史れきし、くらしや年中行事などについて、子どもたちに読めるようにできるだけ平易へいいな内容ないようと文章を心がけました。さらに、 楽しく読めるようにさし絵やカットを多く取り入れ、親しみやすくなるような配慮はいりょをしています。また、本の体裁ていさいも資料編や調査報告書とは趣おもむきをかえ、読みやすいように、少し大きめの判はんにしました。
なお、類書しょるいとことなり解説かいせつに多くのペ—ジをさきました。これは、伝承でんしょうと歴史的事実との対比や行事の民俗学的みんぞくがくてき意味づけなどをできるだけはっきり示しめそうとつとめたからです。それによって、本書の目的もくてきであるふるさと意識いしきの涵養かんようをさらに推おし進めようと考えました。本市の「さくらと歴史の郷さとづくり」事業の精神的基盤せいしんてききばんの一助いちじょとなることができましたら幸さいわいです。
全体を通してご指導しどうをいただきました大村進監修者かんしゅうしゃをはじめ、民俗学みんぞくがくの専門家せんもんかの内田賢作、金子幸生両先生、および左記の先生方に、たいへんお忙いそがしい中をご執筆しっぴついただきました。ここにお名前を明記し、厚あつくお礼巾し上げます。
監修・執筆
大村 進
本文執筆
内田 賢作 金子 幸生
柳 毅(南小学校教諭) 安野 正人(中丸小学校教諭)
橋本 裕子 三宮 幸雄
表紙・挿絵
中野 親志(北本中学校教諭)
金子 富美子(東小学校教諭)
また、この企画きかくを推進すいしんくださりながら途上とじょうで病のため急逝きゅうせいされた故こ江袋文男先生、刊行にあたり快こころよく貴重きちょうな資料をご提供いただきました多くの市民の皆様みなさまに深く感謝かんしゃ申し上げます。
本書は一人でも多くの子どもたちや市民しみんの皆様に、北本を知っていただくために編集・刊行されたものです。私たちの郷土きょうどを語るうえて、少なからず参考さんこうになるものと考えております。そして、いっそうの愛郷心あいきょうしんが育はぐくまれることを念願ねんがんします。
　　　平成三年三月
北本市教育委員会