北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第6節 家の記録

2 縁組

172 文政十二年(一八二九)十一月 下中丸村由五郎忰嘉蔵聟名跡緣組につき居跡証文
  (本宿 岡野正家文書四三)
     居跡証文の事

一元宿村市五郎殿仲人ニて、貴殿の子息嘉蔵と申者為持参山弐反歩差添聟名跡ニ貰請拙者娘と夫婦ニ仕、然上は所持家財田畑不残嘉蔵方江讓渡し可申候、万一不縁仕候ハ、右持参御返し可申候、且又以来両親大切ニ養育扶助被仕呉候様被慎相可申候、為後日居跡証文加判仕仍て如件
 文政十二年

             養父 由五郎㊞
  丑ノ十一月日 下中丸村
             親類 喜代七㊞

         元宿村 仲人 市五郎㊞

             組頭 安之丞㊞
         中丸村
             名主 代 吉㊞


 元宿村
   実父 惣吉 殿
解説 この資料は、下中丸村の由五郎が、元宿村の市五郎を仲人として同村の惣吉の息子嘉蔵を娘の聟に迎えるに当たり、父親惣吉に宛てて出した縁組取決めの証文である。
これによると聟に入る嘉蔵は山二反歩を持参する。それに対し娘の父親由五郎は自分の財産を残らず娘夫婦に譲ることを明記し、証人として親類、仲人、村役人に加判してもらっている。

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