北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第4節 水の管理と争い

「水を治める者は天下を治める」といわれたように、為政者にとっても一般庶民にとっても水は極めて大切なものである。
特に、河川や農業用水、悪水については、広域にわたり一村で対処することが困難な場合が多かった。そこで流域で利害が一致する村々は組合を作り、横の連携を持って治水、利水に当たり、利害が対立する相手には出入りも辞さない。市域においても西に大河川荒川が流れ、東に元荒川とそれより分流する小用悪水路がある。荒川の洪水から村を守り、あるいは農業用水の確保のために藻刈り、川底浚をし、長雨などの際に湛水を防ぐために下流の堤防の欠壊をひそかに願い、また、悪水路を確保するため奮闘した。
また、用悪水路の維持管理は莫大な費用がかかるため、村高に応じて村々が負担するほか領主や幕府の費用による工事を願い出ることが多かった。その際幕府は願いによって幕府役人が現地を見分の後「目論見」、又は「仕様帳」を提出させ、審査して承認をし、工事を行わせる。完了後は「出来形(方)帳」を提出させ検分するのである。

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