北本市史 資料編 近代
第4章 社会生活と文化
第2節 文化
2 史跡・名勝天然記念物
308 大正十一年(一九二二)五月 天然記念物として保存される石戸の蒲桜(『東京日日新間』大一一 ・五・一一)
天然記念物として保存される石戸の蒲桜
内務省から三好博士出張調査
北足立郡石戸村にある「浦桜」は、過般内務省史跡名勝天然記念物保存会から帝大教授三好博士が嘱託されて出張調査する所があったが、今回愈々天然記念物として同省から指定され保存方法を講ずる事に内定近く発表さるゝ筈である、右につき内務当局は語る「同桜は千年余を経ためづらしい古樹で別に近ごろ枯損した個所もなく気カ旺盛である、たゝ゛南枝及び北枝が重幹のために自らその力量にたへないやうだ、然し年々の花量はなか〱に豊富で開花は東京上野の桜より約一週間おくるゝやうである、蒲桜の名称は蒲の冠者源の範頼が桜のある現在の寺に隠遁したといふ伝説に起源してゐるらしい」云々