北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第8章 信仰

北本市の信仰について、以下では神社・堂庵・家の神仏・講に分けて見てみたい。
神社はその祀り手によって、ムラで祀る、組で祀る、イッケで祀る、有志で祀るなどいろいろであるが、ここでは地域別(旧村別)に分けて見ていくやり方をとった。その方が市民にとって、自分の地域を搜しやすく、読みやすいと考えたからである。
また、下石戸上の氷川神社および下石戸下の八雲神社の年間行事とそれにあたる総代ら神社役員の活動に関して、総代を務めた人の忘備録を見ることが出来た。読んでいくと、神社役員のいろいろな動きをよく知ることができる。適宜選択して載せることとした。
堂庵は、市内の墓地のある所には付属の施設のように存するが、行事を行っている所は少なく、ほとんどは、墓地に墓を持つ人が年二回位墓掃除をするだけである。以下では、こうした堂庵の中から適宜選択をしてみていくこととする。
家の神仏のうち屋内神については力マジメという行事を主にしながら、屋敷神については屋敷神調査とその成果が既に刊行されているので、それを主にしながら見ていくこととする。
講については、既に相当に簡略化されていたり、消滅したりしているものが多いが、それでも農家を中心に続けられている。以下では、講の中でもそのほとんどを占める代参講について見ていくこととする。
全般的にみて、信仰
に関しては相当衰退しているように感じられる。敗戦、科学技術の進歩、正業の変化、都市化など、いろいろな原因が考えられ、これらに伴う敬神の念の衰退により、今のような信仰の状況になってきたと思われるが、特に農業と密接に結びついてきた講などは、農家が少なくなるに従い、当然にやめる所が多くなってきている。
このことは、神社についても同様であるが、しかし、昔からの家が新入者に働きかけることで、信仰を引き継いでいこうと努力している所もあり、今後衰退の面ばかりでなく、こうした面にも目を向けて信仰をみていくことが大事であろう。

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