からから揺れき 鎮魂の歌碑
鎮魂の歌碑
盾
二度目なる知事賞受くるは歌詠みし亡母(はは)の御魂のなせる業(わざ)かと
生かさるる日々と思へり古稀過ぎてなほ健やかに歌詠める身は
歌を詠む人ら老いてもなべてみな深き眼をせり短歌大会
吾が歌の長短言へる選者評聴きてうなづく受賞の席に
穀雨なる言葉おもひて雨の街受賞の盾を抱きて歩む
ふる里の荒れたる畠にいぬふぐり青き吐息のごとく群れ咲く
徒長枝を剪りたる空木癒すがに夕べの雨は音もなく降る
あまりにも優しき紅と購ひし更紗空木の吾が丈を越す
おけさ丸ドラを響かせ出航す赤き灯台ゆるゆると去る
望遠鏡のぞけば朱鷺は羽繕ひ人目を避くるごとく高枝に
早朝の露天の風呂にうぐひすの笹鳴き近し水無月の佐渡