北本市の埋蔵文化財

社会3 >> 北本市の埋蔵文化財

宮岡氷川神社前遺跡発掘調査報告

早川智明 吉川国男 石井幸雄
岩井住男 土肥 孝

5.遺物

 土器
(1)第一次調査地点出土の土器

第八類土器(第13図1~14、第18図3)
この類は、無文の粗製土器で、1・2・7は浅鉢であり、他は深鉢もしくは壺形である。浅鉢形土器は口縁部が内側に肥厚している。深鉢形土器は、口縁部の肥厚するもの(5・6・8・10)と、肥厚しないものとに分けられるが、みな内傾している。5は肥厚しているといっても、折返し口縁のものである。器面は、9や11・12のように指圧痕の顕著に残るものや、 8のように擦痕がみられるものがあり、そのほかのものも全部ざらついている。このざらつきは、胎土に多くの砂を含んでいるためでもある。色調は淡褐色または、黒色を呈し、 3・8・14には煤が付着している。11は炉中より出土したものである。この無文土器群は、煤が付着しているもの、炉中より出上したもの、その他のものもほとんどが、二次的な火焔を受けているところから、煮沸用器として供せられていたものと推考される。時期は、かなり長い時期にかけてのものと考えられるが、安行Ⅱ式から同Ⅲ式に至るものとして大過ないであろう。

第13図 第一地点出土の第八類・第九類土器拓本

第18図 復元した土器の実測図

<< 前のページに戻る