北本の神社

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【郷土の神社を調査して】

今回北本市教育委員会より郷土の神社調査の依頼を受け、県立博物館学芸員林宏一先生、市教委鈴木社会教育課長さんのご指導のもとで、私ども文化財保護審議委員と事務局の佐々本社会教育主事によって昭和51、52年度にわたり、現地での調査、文書での調査を細かく行った。
今更いうまでもありませんが調査対象となった神社は夫々古くから、その地域の守神として、氏神として氏子は勿論、地域の人々の信仰の中心となり、心の拠り所として、大きな役割りをもっていたことが伺われた。そしてその関係者をはじめ地域の人々によって、大事に保護され保存され、近年特に祭礼も年々盛んに行われていることもわかった。調査に当った私どもは一つの神社を調べるにも、心身を清めてからはじめた。拝殿、本殿には氏子や地域の人々のその神社によせる「願い」や「神様への感謝の気持」など心の拠り所とした生活を奉納物によって伺うこともでき、私どもは身近かにはだで感じる貴重な体験をした。ある時は神のお姿を拝み、ある時は神の異様な力を感じ、また伝説や言い伝えに耳をかたむけ、人間として神への信仰の原点ともいうべきものを感じ、誠に神秘的な世界を形成している神社だと感じとった。神社はただ単に信仰の対象ばかりでなく建築、奉納物、伝説や言い伝えなど古くからの文化遺産でもあり、文化財としての貴重なものである。私どもは市民と共にできるだけ文化財の理解と保護に努め、更に文化財の価値をも啓蒙したい。
終わりにこの調査にご協力いただいた関係者や氏子の方々に深甚なる敬意と感謝の意を表します。
  昭和53年2月3日

北本市文化財保護審議委員会 委員長 伊藤 明


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