北本の守り札 守札の概要と分類

社会1 >> 北本の守り札 >> 守札の概要と分類 >>

第1章 守札の概要と分類

第1節 はじめに

平成ニ一年一月、石戸宿六丁目地内に所在する鈴木貞雄(当時)家の草葺きの民家(図1)が解体された。守札は屋根裏の大黒柱付近の箱に納められた状態で発見されたが、家人はその存在を知らなかったという。その後、発見された多数の守札は、市教育委員会に寄贈された。

鈴木家の全景

今日でも守札は広範にみられるが、鈴木家のように長期間にわたって集積され、一五〇〇枚を超す守札が現在まで伝えられてきたことは希有なこ とである。
また、平成一三年五月、本宿一丁目地内の関根照男(当時)家では、土蔵の移転の際に一六六点の守札が、続いて平成一四年六月、荒井五丁目地内の新井幸作家においても一六七点の守札が次々と発見された。現在では古い民家がほとんど残されていないことから、今後、このようにまとまって守札が発見されることは多くはないであろう。
そこで、市教育委員会では上記の守札の発見を機に、これらの守札を通して今日に至る人々の信仰や背後にある生活の一端をうかがうため、寄贈された守札を整理し、その概要を報告書にまとめることにした。
なお、本報告書のまとめに当たっては、主として鈴木家の守札を取り上げて記述した。

<< 前のページに戻る