北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

1 北本市の発足

高まる住民運動
新聞報道をきっかけに、解脱市反対の住民運動はいっきょに高まり、その期間はわずか半月であったが、自発的な住民連動としては、おそらく空前のひろがりをもつものとなった。
反対の声は町内会の一つ勝栄会から起こった。同会はまず「議員と語る会」を主催して市名問題の状況を聞き、そこであがった解脱市反対の声を背景に、有志による「新市名を北本市とする会」(準備会)を結成した。そして翌日には街頭でのステッカー貼り、翌々日には発会総会を行い、会報一号を町民に配布する、という素早さであった。
新市名を北本市とする会(世話人、吉田忠一他五名)の運動は、同会の『運動をすすめる心得』(北本市資料)によれば次のようなものであった。
九月三日には区長会が、十日ごろには臨時議会が開催される予定とききますので、次の行動に全力をあげましょう。
①「請願署名」を集めましょう
②「市名は北本市、解脱市反対」のステッカ—を全町にはりましょう
③市名決定のカギをにぎっている議員から・・・・・・それぞれアンケートをとりましょう
④八月二十八日土曜日の午後、駅頭で署名をとり、会員を募集し、翌二十九日日曜日の「一斉運動」へのご参加をお願いします・・・・・・
⑤二十九日「一斉行動の日」、署名とステッカーはりに全力をあげましょう

右の署名運動は、わずか四、五日間にすぎなかったが、この間に会員は六十名を超え、寄付金十三万円、そして集まった署名は七四六五人に達し、有権者の圧倒的支持を得たのであった。

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