北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

3 「緑に囲まれた北本市」づくり

斯侍される住民参加
ここでは、とくに「緑」を通してのまちづくりを住民の側からみることにしよう。
第二次総合振興計画後期中期計画の基礎資料を得るために行われた調査報告、すなわち『北本市市民意識調査報告書』(平成元年七月実施、対象二〇〇〇人、有効回答一二三七人)によれば、住民の「緑」に対する関心がきわめて高い、という特徴を示している。その二、三を例に抽出すると、
●「北本市を象徴するもの」は、
 蒲桜 三十八.〇パーセント
 解脱の森 ニ十ニ.七パーセント
 高崎線沿線の緑  十九.八パーセント
 城ケ谷堤の桜  十八.九パーセント
 田園風景 (空欄)
●「文化的暮らし」とは
 趣味を楽しむゆとりある暮らし                 五十二.七パーセント
 緑やきれいな空気、よい自然環境の中での暮らしができること   四十六.九パーセント
●「開発と自然・文化財保護とが両立しない場合」には
 開発優先           十四.〇パーセント
 自然・文化財の保護優先    四十四.一パーセント

と答え、北本の象徴には、すべて自然事象(じしょう)をあげたばかりでなく、恵まれた自然環境の中での生活こそ文化的な暮らしであり、したがってこれらの自然は、開発に優先して保護されるべきだ、と考える人が圧倒的に多い。また「自然と調和したまち」、「街路樹などの美しい町並み景観」こそ北本の個性であり、魅力である、と考える。したがって当然のことながら、それまでの施策の中でも緑地・公園などの整備に対して、高い評価を与えている。それらの施策は今後もさらに進められると思われるが、単に花を植え、自然を保全し、それとふれあうということだけが目的ではあるまい。市民ぐるみの運動を通じて、ヨコの連帯をつくり出し、自治によるまちづくりの展望を拓くものでなければならないであろう。
先にあげた市民意識調査における別の設問「生活環境に不満があるか」に対して、約五十四パーセントが「ある」と答えている。しかし不満があるものの約五十パーセントは「何もしない」、そしてさまざまな市民参加については、「必要がない」「参加したくない」「参加しない」など、約四十四パーセントが否定的であったが、緑のまちづくり、ひいては市民的自治をつくり出すためにも、市民参加の必要なことを強調しておきたい。

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