北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第2節 北本市の発足と市政の展開

3 「緑に囲まれた北本市」づくり

すみよいまちづくりをめざして

写真45 体育センターのアーチェリー教室

平成3年 古市場

地方自治制度の確立後四十五年を経過し、大きな転換機を迎えて、これまでの物重視の価値観から人の心や精神的豊かさを大事にする生活優先の方向へと変わってきた。これまで、すみよいまちづくりのポイントとして緑にしぼって述べてきた。しかし、この他にも、以下に述べるようなセンター建設を含む様々な事業への取組みが、またすみよいまちづくりを支える基盤となっている。平成三年、市民が久しく待望していたスポーツの殿堂、北本市体育センターが市の東側北本総合公園内にオープンしている。市民がスポーツやレクリエーションに親しむことはもちろんのこと、健康の維持・増進、体力づくりのできる施設として、また、各種の競技スペースを備え国際的な大会にも使用できる施設として建設されたものである。
なお、同じく平成三年に市政二十周年記念事業の一環として、山紫水明(さんしすいめいのまち)のまち福島県町会津坂下(ばんげ)町と姉妹都市の提携を結んでいる。相手方の都市像として、人口五万人以下の農山漁村で、一泊程度で行ける自然の豊かなところという基準を設けその選定作業を進めた。長野、福島、新潟、山梨 静岡の五県から十七市町村を選び、町の木を「桜」、町の花を「菊」としている共通点や、県立少年自然の家や町営スキ—場があり、交流事業をスムーズに行える条件が整っていることなどから最終的に提携となったわけである。今後、夏期セミナーや林間学校、内地留学による体験学習あるいは物産展などを通じ一層の交流拡大が期待される。

写真46 会津坂下町との姉妹都市提携を伝える新聞記事

平成3年9月12日『埼玉新聞』

さらには、平成四年、市の西側にケアサービスを中心とした総合福祉センターもオープンしている。平成二年十月一日の国勢調査による北本市の人口の平均年齢は、県内九十二市町村中十五位の若いまちという結果になっている。反面、高齢化も着実に進んでおり、住民基本台帳人口からみると、老年人口は、昭和六十一年に三五〇六人となり、五年間で一〇八四人増えている。また、市内には平成三年四月一日現在で一一一八人の身体障害者がおり、その数は年々増加の傾向を示している。そこで、在宅の虚弱老人や寝たきり老人のサ—ビスと在宅障害者へのサ—ビスの両面を合わせ持つ機関として、県下にさきがけ建設されたものである。

写真47 建設中の総合福祉センター

平成3年 高尾

図18 人口と老年人口(65歳以上)の推移

(「国勢調査」及び北本市資料より引用)

このように、行政のまちづくりの視点もハード面を中心とした取組みからソフト面が重視されるようになった。西暦二〇〇〇年を目前にしたいま、安らぎと潤いのあるすみよいまちづくり、さらに未来をみつめたまちづくりは一層加速されることになろう。

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