北本市史 通史編 現代

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第2章 都市化から安定成長へ

第1節 町制下の行・財政

2 都市化に対応する行・財政

急増する住宅・工場
昭和三十年代から始まった高度経済成長は、資本と労働の東京集中をもたらし、やがて拡散して周辺地域の都市化を促進した。都市化の波は、三十年代後半から北本にも及び始め、住宅や工場の進出、人口の増加が目立つようになった。その一例として、表18に住宅増加の状況を示す(現代No.二八・一〇六・一三六)。
表18 大規模宅地開発状況
年 度団  地  名面  積 (㎡)区  画 (戸)
昭和37松  風  苑9,14760
藤 倉 団 地 (1)4,62023
昭和38日本電建団地2 06516
昭和39大 和 団 地2,18116
帝都地所団地18 480108
昭和38~40チサン第1団地71,148450
昭和39~40藤 倉 団 地 (2)9,50660
日本相互団地10,61065
昭和40京 王 団 地3,53020
昭和40~41チサン第2 団地46,360251
公社第1団地20,63576
公社第2団地(1)21,30975
公社第3 団地43 593159
昭和41~42チサン第3団地46 350264
田沼商事団地4,06919
大日本インキ
昭和42社 員 団 地5 85228
昭和43~44公社第2団地(2)39,600132
公社東間第1団地30,690128
昭和44~45公社勝林団地115,000500

(昭和43年北本町市街地開発計画より作成)


このような急激な住宅の増加に対して、それまでややもすれば、プラン倒れに終わっていた都市計画を実現することが行政最大の課題となった。まず、宅地化に対応するため、昭和四十一年「北本町宅地造成事業の公共施設基準」を定め、宅地造成業者に対して、およそ次のような事前協議や公共施設に要する費用負担・施工を義務づけた。
一、道路
幹線道路については、主管課と協議すること。団地内道路はすべて舗装(ほそう)とするが、当分の間構造基準による砂利道とすることができる。
一、学校
国庫補助金および町起債予定額を差し引いた建築費を負担すること。校舎は鉄筋コンクリート建築とすること
一、消防水利
設置基準による消火栓、防火水槽(すいそう)を設置すること
一、排水施設
宅造法、町計画により施行すること。し尿および汚水処理施設については、主管課と協議すること

写真27 住宅団地開発状況

昭和40年 西高尾(吉見脩家提供)

以上の基準は、大規模宅地造成を町の都市計画に適合させ、また財政負担を軽減することなどが目的であり、とくに住宅公団北本団地建設(後述)の際などに有効であったが、小規模開発や個別の住宅建築によるスプロールを防止す
ることはできなかった。

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