北本市史 資料編 近世

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編さんにあたって
北本市史編さん委員長 江袋 文男
迫り来る二十一世紀を展望し、科学技術社会、情報化社会、国際化社会等に向かって、社会の変容が求められることは当然であります。
けれども我が国が長い歴史の流れの中で、外来文化を摂取しながら築きあげてきた日本個冇の文化と伝統を保持し、これを基盤として新しい二十一世紀の文明が築きあげられなければならないと思います。地方の文化も、また同様であります。
また、北本市は首都東京から四五籽の首都圏内に位置し、近年急激な都市化の進展によって、地域社会の変ぼうが著しく進んでおります。このため郷土の先人が、たゆみない努力によって築きあげてきた貴重な歴史的、文化的遺産が喪失されつつあることは誠に遺憾であります。
このような視点に立って、北本市では、歴史・考古・民俗・自然等の幅広い調査に基づいて、本市の歴史的、文化的発展の過程を究明することといたしました。そして郷土の先人の足跡を明かにし、これを正しく理解することによって、北本市の発展と文化の向上を図るため、北本市史編さん事業が企画されたのであります。
まず、昭和五三年度に市教育委員会は市史編さんの準備に着手し、昭和五四年度には市史編さん委員が委嘱され、市史編さん刊行に関して基本的事項の審議が開始されました。五六年度には、市内の資料所在の情報に詳しい調査協力員が委嘱され、活発な調査活動を開始しました。つづいて五七年度には市史編集委員及び専門調査員が委嘱され、市史の企画・研究・調査・編集・執筆等の編集事業が本格的に展開されるようになりました。 また、昭和六〇年には市史監修者が委嘱され、このたび、まず第一回の『北本市史近世資料編』を刊行する運びとなりましたことは、誠に喜びに堪えないところであります。
この「近世資料編」が北本市民をはじめとして、市内外の多くの方々に愛読され、近世の北本の人々の生活や文化の実体を知ることによって北本市が二十一世紀に向かって前進するための、かけ橋となるならば幸いであります。
この「近世資料編」の刊行に当たり格別のご配意を賜わりました大護市長はじめ市当局、教育委員会に対し心から御礼申しあげます。なお、大村進編集委員長をはじめとして近世担当の編集委員・専門調査員、並びに調査協力員の皆さまの献身的なご努力に対し深く感謝いたします。また貴重な資料をご提供いただきました皆様方のご厚志に対し、厚く御礼申しあげます。

  昭和六二年三月


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