北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第3節 産業と金融

5 材木商・職人

122 安永二年(一七七三)八月 鴻巣宿弥平治元宿村ほか二か所御林買請証文 
  (本宿 岡野正家文書二〇)

資料122 御林買請証文

(本宿 岡野正家文書)

     一札の事
一元宿村御林の儀御払ニ被 仰出候由、拙者方江買請度先達て各方江及御相談申候処、御林三ヶ所松杉并雑木共不残代金三拾両ニて、拙者方江買請候稍リ御相談申候、然上ハ山入の節金拾両相済、 中頃ニ金拾両、残金拾両の儀ハ不残伐り支舞候節相済可申候、万一右代金相滞候ハゝ、加判の者引請急度相済各方江御苦労掛離間鋪候、為後日一札仍て如件
安永弐年巳  鴻巣宿
   八月   買主 弥 平 治 ㊞
       元宿村
        請人  与 四 郎 ㊞
        世話人 与右衛門  ㊞
       元宿村
       上笠原村
       北下谷村
        御名主中
解説 本資料によると、鴻巣宿の弥平治は材木を売買する材木商を営む者と思われる。
材木商は、江戸府内では古くから江戸城修築に当たった商人が材木問屋を許され組合を結成していたが、農村においても農間渡世の一つとして営まれ、なかには江戸の木場へ材木を調達していた者もいた。
資料の内容は、市域の元宿村、鴻巣市域の上笠原村、北下谷村に所在する御林の松・杉と雑木一切を三〇両で買取り、その代金の支払い方法を定めた証文である。ここで用いられている御林とは幕府、地頭が所有する山林で、御用材林、保安林などがあった。

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