北本市史 資料編 近代

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 近代

第1章 政治・行政

第1節 近代行政のはじまり

6 自由民権

32 明治十六年(一八八三)十一月 桶川駅大雲寺改進党政談演説会
  (埼玉自由民権運動史料)
〇演説家放免 去る三日埼玉県下北足立郡桶川駅地方の改進党員樋口三平・河野亀次郎の両氏か催ふしにて同駅大雲寺に政談演説会を開き、弁士には浦和駅の同党員大島寛爾鴻ノ巣駅の石田某氏等を招し聴衆凡そ三百名許ありて殊に盛況なりしか、終て同駅の田中方にて懇親会を催ふしたるに会する者二十二名席上諸氏の祝詞演説あり各々充分の歓を尽して将に散せんとするの際、会主樋口氏起て席上演説をなせしに巡査突然入り来り只今の演説ハ官吏侮辱の廉ありと令状を示して氏を拘引し、警察署に留置すること十有余日を経て始て浦和軽罪裁判所の検事へ送致せられたり、故に樋口氏ハ弁護を大島寛爾氏に嘱托し既に其届書を差出せしに検事ハ被告事件の罪とならさることを認知し、僅に一日の調を以て去る十五日に放免せられたり、此に於て樋口氏の親族朋友及ひ最寄の改進党員諸氏ハ浦和駅春泉亭にて盛大なる祝宴を張り、各々慷慨なる席上演説をなします\/改進主義を拡張せんことを誓ハれたりと、右樋口氏ハ頗る熱心家にて極めて活発の人なり、弊社員等も鴻ノ巣近傍に聘せられて巡回する節ハ常に同氏の世話を蒙ること多く、今此報を得て大に愁眉を開きたり
(明治十六年十一月廿一日 郵便報知新聞)

<< 前のページに戻る