第1章 政治・行政

第1節 近代行政のはじまり

6　自由民権

34　明治十九年（一八八六）五月　北足立郡川田谷村泉福寺有志演説会
　　（埼玉自由民権運動史料）
〇演説会　敢て言論の貴重なるを忘れたるにハあらざるべけれども連年の不景気にて農工困弊を極めたるに因るもの欤ゝ近来地方に於て演説を開く者甚だ稀れなるに埼玉県北足立郡の有志者新井源三、内田兵三、新井万三、天沼忠一郎、橋本喜三郎、山崎林吉等の諸氏にハ自ら発起者となり東京よりハ高梨哲四郎氏、浦和より近藤勝復、辻村共之の両氏を聘し去る十五日を以て演説会を同郡川田谷村泉福寺に開き髙梨氏ハ二題、近藤、辻村の両氏ハ各々一題づゝを演せしが聴衆ハ無慮三百余名ありて頗る盛会なりしよし尚ほ向後ハ近傍各村巡（ママ）番に毎月一回つゝ開会するの約束なりと云ふ
　　（明治十九年五月十八日　毎日新聞）