北本市史 資料編 現代

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第1章 政治・行政

第1節 戦後の村政

1 行政組織と議会

4 昭和三十三(一九五八)年六月 村政についての申入書
  (『自昭和三十一年至昭和三十三年北本宿村議会会議録』)
昭和三十三年六月十三日 北本宿鉄友会々長岡野英次㊞
 北本宿村議会議長 大島武治 殿
     申入書
我が鉄友会は発足以来、村政の運営並びに発展に関しては全面的に協力して、今日に至った。はからずも昨秋来よりの村政運営について、不信の声を聞いたが当事者に於て円満解決されるものと期待して居た。然し未だ解決を見ざるは寒心に耐えぬ。
玆に於て本会は村の発展のために書面を以て申入れを行い、回答を求む。
 註 この申入書は、村長・議長に送付し、なお一通は一般に掲示する。
   これについての回答は、その都度掲示する。
一、他市町村と比較して村税が過重と思われるが、村の予算支出に無駄はないか。(聞く処によると多額の滞納が有るというがこの徴収処置は如何)
二、過日北本宿中学校に於て各種団体の代表を召集し議会説明会を行ったと聞くが、本会を除外したのは如何なる理由か。
三、村有地の購入に関して流言があるが、これについて明確に説明されたい。
四、最近に於ける新聞紙上の報道の真疑を明確に説明されたい。
五、村政の運営について、議事機関及び執行機関の協力に欠陥があると思うがそれについて詳細に説明されたい。右申入事項に関し来る六月二十一日まで書面を以て回答されたい。 以上
   昭和三十三年六月十九日
     北本宿村議会議長 大島武治

  北本宿村鉄友会々長 岡野英次殿
 昭和三十三年六月十三日付北鉄申第一号の申入書に対し、左記のとおり議会の議決を経て回答いたします。
      回答書
 (前略)
1、申入事項(一)について
 「他市町村と比較して村税が過重と思われる」とありますがこの事については、役場当局に於て説明資料を用意されているので問い合わせられたい。(中略)
 「多額の滞納があるというが其の徴収処置は如何」との事であるが、これは勿論執行者村長の責任分野であるが常に議会も関心をもっているものであって、再三村長に対して滞納整理に全力を挙げられるよう要望しているのであって、悪質なものに対しては強権発動も止むを得ないのではないかと迄進言しているのであるが、それが出来ない現状にあるようなのでこの点御賢察願いたい。
2、申入事項(二)について
 五月二十五日北本宿中学校に於ける臨時議会の報告会開催に当って、各種団体より貴会を除外する考えは毛頭なかったのですが、議会の意志に反した結果となった事については申訳ありません。
3、申入事項(三)について
 村有地の購入に関しては前議会当時に於てなされた事であるので現議会としては説明しがたい。
4、申入事項(四)について
 今般の不祥事件に関して毎日、朝日、読売の新聞紙上に報道されている所は事実に相違してない。
5、申入事項(五)について
 村内の一部の流説に議会は村長に反対しているとか、協力していないとかいうような事があると聞いているが、議会としては全く憤慨に堪えない所である。
吾々議会は筋を通されて議会にはかられた事で、まげて議決したり感情で処理したり、又反対のための反対をなしたような事は一度もない。
むしろ議会として申したい事は村長はもっと民主主(ママ)義であってほしい、議会を尊重してほしいという事である。(中略)
右簡単でありますが申入事項に対する回答といたします。
尚十分意をつくし得ない所多々ありますので議会としては、貴会と懇談の機会を得て詳細に説明申しあげると同時に、貴会より御意見等頂き参考といたし度く存じて居りますので何とぞ可然御高配下さるならば幸甚で御座います。 以上

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