北本市史 資料編 現代

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第1章 政治・行政

第3節 北本市の発足

49 昭和四十六(一九七一)年八月 「請願書」署名運動の呼びかけ
  (下石戸下 長谷川幸男家所蔵)
 「請願書」署名運動に一人でも多く御協力下さい
  公社第一 ・第三南北団地自治会有志一同
田園に夏の終りが訪れている。私たちの町「きたもと」に今まことにバカげたと言おうか、むしろ喜劇に類する動きが見られます。新しく発足しようとして いる「市」の名称を「げだつ市」にしろという働きかけを指していることにすでにお気付きと思います。
解脱会のPRパンフ(郷土紙を自称する「ニュータウン(」脱カ)を含めて)を私たちはもう何枚か手にしていますが、そのどれもがいかに不合理な噴飯にも値いしない言説に満ち、さらに八年先の寄付行為までちらつかせる卑劣な心情を備えているものであるか(ママ)は、ここで指摘するさえはばかられる思いです。
     (中略)
先日「げだつ市」命名についての解脱会の陳情書が正式に町に提出され、九月上旬の町議会にかけられる情勢になっていますが、もしもこれが受理されて市制施行のスケジュールに組み込まれたら由々しい大事を招きます。加えて、最近では町の名士を自称する人々の中に、解脱会の提灯をもち、バカ踊りの露払いをもしかねない兆しが出ています。たとえば、その人たちのバラ撒いたチラシに曰く「新市名命名問題に口を出したり、署名運動したりするのは町を騒がす異端者の行いであり、一部の策動である」と。
騒ぎの発端、元凶には一言も触れていないのです。バカも休み休みに言えという心地がします。
私たちはそれを言う発起人の一人が、解脱会の機関紙と見られる「ニュータウン」の巻頭で憶面もなく「げだつ市」命名を御推奨になっていることを存じているのです!—自分が「げだつ市」を口走ることは「善」で、他の常識がこれを否定するのが「悪」であるとするのはどういう論理から生まれるのでしょうか?
 「私たちはよろこんで異端者になりましょう。
 (中略)
私たちは自治会あるいは他地区の人たちにも計って有効な行動を起し、力を合わせて常識が通用するまともな町にしたいと思います。
本日はとりあえず勝林地区、チサン第三団地等に住む方たちの自然発生的な行動から生まれた「新市名を北本市とする会」の呼びかけに応え、町議会に対する請願書の署名運動に参加されるよう皆さんに訴えます。
 ”自治会の皆さんへ”
 「北本市民になりたい、解脱市民になりたくない人の会」について
私たちは、さしあたり標記仮称のもとに全町民に対するアッピールをはじめ、適時、具体的な行動に入りたいと思います。会の趣旨は仮称会名のとおりです。
多くの方々の賛同を得て、行動を力強い意義のあるものにしたいと存じます。
御賛同の方は下欄に御記名頂けるならば幸いです。
氏名御意見欄
    
  昭和四十六年八月二十六日
         発起人代表
          第一 区 松岡 勝
          第三南区 中島圭夫
          第三北区 山崎 卓

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