北本市史 資料編 現代

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第2章 北本の農業

第8節 農家形態と農業経営の変化

昭和三十四年(一九五九)後半に始まる高度経済成長と都市化の進展は、農業労働力の都市流入に続いて農地の都市的転用を促し、農業の継続、発展にとって必要不可欠な基本的生産要素の急速な減少をひきおこした。その結果、北本における専業農家は、昭和三十五年以降の一〇年間に約三分の一に減少した。この間の農家数の減少率が一〇パーセントであることから、北本の農家の兼業化がいかに広範に渉って進行し、いわゆる土地持ち労働者をつくりだしていったか、をうかがい知ることができる(資料93)。
高度経済成長に伴う農業労働力の著しい流出や、農産物消費構造の変化は、北本の農業にも様々な影響を及ぼした。とくに農産物は食糧難時代の澱粉質を主とするエネルギー食品と養蚕が激減し、果樹と温室栽培作物の増加が目立っている。同時に露地野菜類の生産が減退していることも近郊農村北本の特徴のひとつといえよう(資料94)。
なお、畜産経営については乳用牛、豚、鶏が若干増加し、他の大・中家畜はいずれも減少している。増加家畜の飼育形態は、小数農家の多頭飼育傾向が際立っている(資料95)。

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