第2章 北本の農業
第1節 近代初期の農業と水利
55 昭和二十二(一九四七)年十二月 北本宿村農地委員会議事録
(『異議申請陳情書綴』)
昭和二十二年第六回北本宿村農地委員会議事録
昭和二十二年十二月六日北本宿村農地委員会を、北本宿村農業会会議室に招集す。
| 岡村 清秀 | 山田 慶助 | 新井 長命 |
| 伊藤八五郎 | 田島 此助 | 金子 成治 |
| 岡野松之助 | 加藤 ひで | 矢部 次郎 |
| 鈴木重太郎 | 加藤 榮蔵 | 加藤 宇吉 |
| 伊藤 庄一 | 新井 重三 | 成井千代作 |
一、 | 本会の書記 | 大島善之亟 |
一、 | 会議事項 | 左の如し |
| | 金納小作料支払方法ノ統制に関する件 |
一、 | 議長 | 本件は昨年度同様金納小作料の全面的実施をなすこととし、既に買収農地については夫々割合を定め、本村農業会に於て小作より取纏め地主に支払ふが適当なりと思料せらるるも如何にするやと会議 に諮ふ。 |
一、 | 八番加藤ひで | 既に買収せる農地の小作料の割合は、本村多数の慣例により米穀年度を以て其の率を定めるのが妥当なりと発言す。 |
一、 | 三番新井長命、十一番加藤榮蔵 | 八番の動議に賛成し、其の割合及納期限は左記の通り定めることと提案す。 |
(一) | 七月買収せるものは田にありては一ケ年の小作料の六割を、畑にありては大麦の小作料を小作者より地主に支払ふ。 |
(二) | 十月以後買収せるものは、ーヶ年の小作料の全額を小作者より地主に支払ふ。 |
(三) | 買収期日と売渡期日の一致しない場合は、政府の定める国有農地の管理令の規定によるものとする。 |
(四) | 昭和二十二年度の小作料の納期限は、本年十二月二十五日とする。 |
一、 | 二番山田慶助 十二番加藤宇吉 | 三番、十一番の動議に賛成す。 |
一、 | 議長 | 八番及三番、十一番の動議成立付之を会議に諮ひ賛成者に起立を命ず。 |
一、 | 議長 | 賛成者全会一致につき八番及十三番、十一番の動議に決定する旨を告ぐ。 |
自作農創設特別措置法第七条第一項に基く
異議申立に関する件
一、 | 議長 | 提案の理由を説明す。 |
| | 自作農創設特別措置法第七条第一項に基く異議申立者 |
| | 北本宿村大字北中丸二、三二七番地 |
| | 加藤 清作 |
| | 土地の番号及地積 |
| | 北本宿村大字下石戸下一、七七六番地 |
| | 土地台帳記載地目 山林(現況畑) |
| | 五反壱畝弐拾七歩 |
一、 | 議長 | 本件は一筆調査を実施せる当時当該土地につき調査せる責任者及利害関係者の意見を聴き決定したき旨を告ぐ。 |
一、 | 四番伊藤八五郎 | 一筆調査の際詳細に調査の結果、現況農地につき買収するが適当なり。且つ山林なるや農地なるや疑問なる向は、農地委員会全員再調査せられたき旨を発言す。 |
一、 | 異議申立人加藤清作 | 土地台帳記載之通り現況山林につき買収せざる様発言す。 |
一、 | 議長 | 四番及異議申立人の意見を充分審議の結果農地として買収すべきが適当とする者に対し起立を命ず。 |
一、 | 農地委員全員 | 起立す。 |
一、 | 議長 | 買収賛成者全会一致につき買収する事に決定する旨を告ぐ。 |
| | 会議録署名委員選挙 |
一、 | 議長 | 署名委員四名とし、之を定むる方法は指名推薦により指名を議長なすべき旨を会議に諮ふ。 |
一、 | 議長 | 異議なきを以て指名推薦による旨を告ぐ。 |
| 議長 | 左の者を指名し異議なく決す。 |
| 十一番 | 加藤 榮蔵 | 十二番 | 加藤 宇吉 |
| 十三番 | 伊藤 庄一 | 十四番 | 新井 重三 |
一、 | 議長 | 会議を閉ずる旨を宣告す。 |
| | 干 時 午後壱時弐拾五分 |
| | 右、会議の顚末を記載し其の相違なきを証するため玆に署名す。 |
| | 昭和二十二年十二月六日 |
| 議長 | 北本宿村農地委員会長 小島 良吉 |
| 署名委員 | 加藤 榮蔵 加藤 宇吉 |
| | 伊藤 庄一 新井 重三 |