北本市史 資料編 現代

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第3章 工場の誘致と工業発展

第1節 工場誘致と工場適地

97 昭和三十(一九五五)年八月工場誘致に関する適地調査依頼及び調査結果(二)
  (『工場誘致関係書類綴』)
昭和三十年八月二十九日
          埼玉県商工部長
 北本宿村長殿
  工場誘致のための土地建物の現状調査について
(依頼)
標記については、格別の御協力を煩わし、昭和二十九年九月「工場適地の紹介」として一冊にとりまとめ印刷、県内ヘ工場設置を希望される事業場は勿論、関係各方面へ配布、利用願っているのでありますが、その後の情勢により、相当の変動があると思われるので、今回従前の資料について再検討を願い、かつ又、新規に該当せられる地域及び施設については、新たに資料の提供をうけ、誘致の斡旋に万全を期したいので、これが現状を御調査の上、九月末日までに左記様式により御回答下さるよう依頼いたします。
一、前回、提出による変動の有無(別添騰(謄)写印刷に記載せる事項の変動ある場合はその詳細)
二、新たに追加される該当土地、建物
 イ、工場適地(現在、工場用地となっていないが、エ場用地としての条件を具えている土地を含む)
  1、所在地
  2、総面積、及び地目別面積(畑、田、山林、原野、宅地の別、面積は坪数)
  3、環境(四囲の状況)並びに現在の状況(交通の便、鉄道、国道よりの粁数、排水、工業用水、電力等)
  4、所有者および管理者の氏名、住所、電話番号(所有者等多数の場合は、代表者名及び総数)
  5、希望する処分方法
  6、参考事項(周辺に買収可能地の有無、鉄道引込線の不可、適性(正)な企業等、具体的に記されたい)
  7、該当土地の略図(更紙半頁大、縮尺、方位を入れる)
 ロ、遊休施設(現在、稼動(働)しているも誘致工場に提供可能な施設を含む)
  1、施設の名称又は旧工場名
  2、所在地
  3、工場敷地面積(単位、坪)
  4、建物総面積、棟数及び一棟毎の面積
  5、沿革
  6、環境並びに現在の状況(交通の便、排水施設、工業用水等を始め、建物の保存の状況、建築材料等の詳細を付記すること)
  7、付帯設備(受電、水道、汽缶等の設備)
  8、所有者及び管理者の住所、氏名、電話番号
  9、該当施設の略図(敷地も含める更紙半頁大)

工場適地 一三〜一六


所 在 地
 北足立郡北本宿村
総面積及び地目別面積
 第一予定地二三、九ニ一坪(内訳畑二、二〇〇山林ニ一、四〇一〇原野三〇〇)
 第二〃  三五、五八ニ〃(〃 〃四、ハ〇〇〃三〇、三〇〇〃三〇〇)
 第三〃  三三、三七三〃(〃 〃二、〇〇〇〃三〇、七〇〇〃六〇〇)
 第四〃  一九、五一三〃(〃 〃一九、〇〇〇その他五〇〇)
環境並びに現在の状況
 本予定地は大体北本宿村の中央にあり、周辺は平坦地にして畑地多く水田あり山林ありて、各予定地とも人家遠く離れて点在しており北本宿駅(高崎線)よりの距離は第一予定地は南方約一、五〇〇米、第二予定地は約一、六〇〇米、第三予定地は約一、〇〇〇米であり、第四予定地は西方約九〇〇米である。電化せる高崎線と並行して南北に走る中仙道とは第四予定地が約二〇〇米、その他は何れもー〇〇米以内の地点にあり交通運輸ともに至便であり、工場敷地として最適と思われる。電力については五〇〇KW程度の契約が可能である(規模によって巾がある)工業用水としては地下水が豊富にある。
所有者及び管理者の氏名、住所、電話番号
 第一予定地北本宿村大字北本宿岡野信春外五六名
 第二予定地〃        鈴木秋広外五五名
 第三予定地〃  大字下石戸下小川幸次郎外四一名
 第四予定地〃   大字荒井斉藤利幸外五五名

(北足立郡北本宿村)

(北足立郡北本宿村)

遊休工場 八

株式会社 英 工 舎
所 在 地
   北足立郡北本宿村大字深井
工場敷地面積
   宅地 二、三二六坪
建物総面積、棟数及び一棟毎の面積
 建物総坪数 八〇九坪

1事務所二三・六六坪11浴 室一四・七五坪
2住 家二八・九四〃12火造場一二・〇〇〃
3三三・四三〃13便 所一二・二五〃
4二二・五〇〃14配電室二七・一七〃(含む通路)
5物 置二五・二五〃15物 置一〇・〇〇〃
6住 家一五・二五〃16倉 庫二二・六七〃
7五八・二六〃17工 場四〇九・四七〃
8六二・七一〃18便 所一・一七〃
9通路及び食堂五八・五八〃19一・一七〃
10洗面所 三・三八〃

1事務所二三・六六坪
2住 家二八・九四〃
3三三・四三〃
4二二・五〇〃
5物 置二五・二五〃
6住 家一五・二五〃
7五八・二六〃
8六二・七一〃
9通路及び食堂五八・五八〃
10洗面所 三・三八〃
11浴 室一四・七五坪
12火造場一二・〇〇〃
13便 所一二・二五〃
14配電室二七・一七〃(含む通路)
15物 置一〇・〇〇〃
16倉 庫二二・六七〃
17工 場四〇九・四七〃
18便 所一・一七〃
19一・一七〃

沿革
 第二次世界大戦前は織布工場株式会社下村工場であったが、戦争末期に軍需工場、株式会社英工舎となり、終戦とともに閉鎖その後工場の一部は取りこわしたるもそのままの状態にて現在に至る。
環境並びに現在の状況
 仲仙(中山)道に面し交通、運輸とも至便であり、周辺は人家まばらにして畑地多く工場建設には最適地と思われる。工場建物はトタン葺平家四〇九坪で窓ガラス及び壁の破損ひどく、その他住家に使用しているものニニ一坪以外は荒廃している。なお残存機械はない。
附帯設備
 受電設備が残っているが、トランスはじめすべて荒廃し再び使用には耐えない。配電設備もあったが売却してしまい現存残っているのは電気配線のみである。操業当時の契約電力は一〇〇KWであった。工業用水としては井戸が四っあり、深さはいずれも二五〜六尺で水量は豊富である。排水は道路わきの下水を利用している。
所有者及び管理者の住所、氏名、電話番号
 株式会社 英 工 舎  東京都北区西ヶ原
所有者・管理者の住所氏名
  東京都北区西ヶ原一、二七〇番地
         株式会社 英工舎

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