北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第10章 民俗芸能・遊戯

第3節 遊戯

2 女の子の遊び

ナンゴ
お手玉のことをナンゴといった。お手玉の中にはイゴノミ(エゴノミ)や大豆、小豆など音のするものを入れた。また、小さな鈴やコハゼ、石なども入れることがあったが、一番軽くていい音のするのは、イゴノミだった。
子どもたちは、小学校の二、三年になると自分でナンゴを作ったが、一番簡単にできたのは、上の口になる部分を締めただけのキンチャク形のナンゴで、次に両端を締めたマクラの形をしたナンゴを作った。布を四枚合わせて作るナンゴはとても難しかったが、みんな夢中になって作っていた。それで、裁縫も上手になった。
ナンゴの遊び方は何通りかあるが、一つはナンゴを数個片手または両手で空中に投げ上げながら回すやり方である。この時には、「ひいふうみいよういつむうななやあこのとお・・・・・」と順に数えていったり、「いちれつらんぱんはれつして・・・・・」などと歌いながらやったりした。
また、他にはナンゴを数個下に置き、一つは空中に投げ上げながら「おいっこやおいっこや・・・・・」といいながら下のナンゴを一つずつ移動する。次に「おににこおににこ・・・・・」といいながら二つずつ場所を移動する。そのように歌を歌いながら順次移動していき、失敗するまで続けていった。他の子どもたちはまわりで一緒になって歌を歌っていた。

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