実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第1編 何にも勝る体験学習

社会教育活動
生涯学習時代での社会教育活動は、破壊されてしまった「人付き合いのできる社会」の、再構築であると考えている。人とあったら挨拶をする、目上の人を敬い、また、目上の人も敬われる社会生活を送る。他人のことにも、プライバシーに踏み込まない範囲での関心を持ち、ともに地域社会の一員であることを確認しあって生活をする。
個を確立しながらも、集団を大切にできる心を、いつのまにか日本人は忘れてしまっている。
生涯学習社会は、お互いが教師になり生徒となって、知っているものは知らない人に教え、知らない人はいつでも回りの先生から学ぶことができる社会、そうしたシステムが、きちんと整理された中で熟成されていることが理想であろう。「隣は何をする人ぞ」という殺伐とした社会であってはならないと考えている。
テレビを子守りとして育った年代では、人の痛みを知ることは無い。テレビゲームで育った彼らの子供にいたってはなおさらである。失敗すればリセットすると元に戻る。死んだ人間はいつでも生き返っている。映像の中での疑似体験ばかりが積み重ねられており、刃物で切りつければ血が出ることは知っていても、痛さの度合いや悲しみは伝えられていない。
自分の感情を押さえることができない。世間では「キレル」などといった言葉で、さもいいことのように伝えられている場合もある。自分を押さえきれず、あたりかまわず行動することが、いいことであってはならない。
マスコミの取り上げ方にも問題がある。そうしたゆがんだ風潮について、社会教育は、どのようにしなければならないのだろうか。正しいものはいつの時代であっても正しいことであり、間違っていることは間違っていることである。こうしたことのわきまえを、学習を通してお互いが学び合うことが、社会教育活動では大切であると考えている。

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