実録まちづくりにかける集団
第1編 何にも勝る体験学習
夢づくりの学習この本で紹介する、北本市青少年育成市民会議やふるさと学習特別実行委員会の活動は、失いつつある社会生活を、取り戻すための取り組みに他ならない。
主体となって活動しているのは、善良なボランティア市民である。周りからは「あの人たちは好きでやっているだけ」などと言われている。しかし、自分の住んでいる地域社会を好きになれない人が、地域に根付く子供たちの育成ができるものであろうか。
自分ではできなかったことを、次代を担う子供たちに託す。自分が覚えてきたことを、伝えていきたい。学ぶ楽しさ、遊ぶことのうれしさ、成功することのすばらしさを、誰かに伝えたいと思うのは、きわめて正常な人の行いである。
夢を描き、夢を語り、夢の実現を目指す大人たち、彼らの子供時代は、みんなガキ大将と呼ばれた人たちである。だからこそ、今の子供たちに伝えたいと、心の底から思っている人たちでもある。
遊びや楽しさという場を通して、感動を伝えていくことは、まさに「夢づくりの学習」そのものである。知恵を絞り、知識を集約した中での活動は、学校では教えられない、家庭でも学ぶことができない「生きた学習」である。