実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第3編 「鼓群奮闘」
   北本太古かばざくら五千日の活動記録

第2章 海をわたった「北本太鼓」

平田は、北本太鼓を発団させた当初から、団員に向けて夢を語っていた。
「いつかアメリカに遠征し、カーネギーホールで演奏するぞ。日本の太鼓の音を、自分たちの手でアメリカに響かせてやる。」
これを聞く団員たちは「また、団長のホラが始まった」と笑っていた。しかし、思えば叶うである。そのチャンスは思いがけないところから飛び込んできた。カーネギーホールではなかったが、場所はアメリカである。
平成七年六月、NHKテレビの番組の中で、団員の矢部良男が撮影した、北本太鼓かばざくら「太鼓塾」の一部が放映された。その数日後、芸術海外交流会の亀田と名乗る女性から電話があった。
「ポートランドで行われるローズフェスティバルに出演してくれ」
と言う用件である。内容を聞くと、
「先日テレビで見たが、素晴らしい団体なので是非出演してもらいたい。予定していた団体が、急に出られなくなったため、なんとかして、すぐ出てもらいたい」
というものだ。
平田は活動状況や、現在までの成り立ちについて色々説明し、来年度の事業としてなら可能性が有るが、すぐは無理だと断った。すると亀田は、来年でも良いから是非お願いしたいと言う。

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