実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第3編 「鼓群奮闘」
   北本太古かばざくら五千日の活動記録

第2章 海をわたった「北本太鼓」

チャンス到来
平成二年に、文部省委嘱事業としてスタートしたときに、どんな形で育つか見当もつかない状況下で、平田はみんなにこう宣言していた。
「一〇年以内に必ず海外公演を実施する。」
その時期が、予定より早く訪れることになるかも知れないと、平田は団員に報告した。ポートランドのローズフェスティバルは、アメリカの三大祭りのひとつに数えられている、世界中から観光客が集まる大イベントだと、亀田から聞いている。ほとんど半信半疑ながら「チャンスが有るなら行きたい」と言う返事が団員から返ってきた。こうして、団スタッフたちは、具体的に行ける方向で検討に入った。
なにを目的としていくのか、何人くらいの規模で行くのか、どんな内容で公演するのか、費用はどのくらい必要で負担はどうするのか、相手は本当に信用していいところなのか、市のバックアップはもらえるのか、など次々疑問や課題が発生してきた。
自分たちが実施している「ふるさと学習」と、北本市が推進している「国際交流」の理念に合致すること。自分たちが渡米することに、正当性があるという名分があること。費用について北本市から援助を受けられること。自分たちの活動自体が国際交流につながることなど、様々な条件をクリアすることができるかどうかがポイントとなった。

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