石戸蒲ザクラの今昔 Ⅴ 東光寺の文化財

社会1 >> 石戸蒲ザクラの今昔 >> Ⅴ 東光寺の文化財 >>

Ⅴ 東光寺の文化財

1 東光寺の文化財の概要

❶貞永二年銘板石塔婆(埼玉県指定考古資料)

第48図 貞永二年銘(1233)

東光寺に所在する板石塔婆の中で 最大、最古のものである。かつては日本最古の板石塔婆として知られ、頭部が水平であること、円・半円形の特異なモチーフを刻むことによって明治期から注目されてきた(第48図)。
带状の区画をはしご状に組み合わせて三区画を設け、上部に主尊のキリーク(阿弥陀如来)、中部にサ(観音菩薩)、サク(勢至菩薩)(せいしぼさつ)を配する阿弥陀三尊で、下部に『観無量寿経』の「光明遍照」偈(げ)を四行に、ついで紀年銘を刻んでいる。
最近の研究では、頭部の整形痕によって当初から水平であったこと、はしご状の区画は仏具の幡(ばん)のデザインを転写したこと、円・半円形のモチーフは仏教美術にみられる連珠文(れんじゅもん)であることなどがわかってきた。

<< 前のページに戻る