石戸蒲ザクラの今昔 Ⅴ 東光寺の文化財

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Ⅴ 東光寺の文化財

1 東光寺の文化財の概要

❸銅造阿弥陀如来坐像(北本市指定彫刻)
鋳銅製の阿弥陀如来坐像で、大きさは像高七・九センチ、膝張六・九センチ、膝奥六・〇センチ、総高一三・四センチである。仏像本体と蓮座を一鋳し、別鋳の反花座(かえりばなざ)を後補している。反花座には「光明院/遍誉/利岳信士」と法名が線刻されており、近世期に補作されたものであろう。
像容は通肩の法衣をまとい、弥陀定印を結び、右足上に結跏趺坐(けつかふざ)している。頭部を飾る螺髪が縄巻状に表現されている点が特徴で、大陸に起源をもつ表現様式であるという。鎌倉時代後期の作例と思われ、市内最古の仏像として貴重なものである。
像の背後には枘(ほぞ)が付されており、光背枘と考えられてきたが、川越市古尾谷八幡神社に蔵されている銅造阿弥陀三尊懸仏(かけぼとけ)の主尊は、巻縄状の螺髮をはじめ東光寺例と共通点が多い。同一の鋳物師による作例とも思われ、懸仏の主尊であった可能性がうかがえる。

第51図 銅像阿弥陀如来像

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