北本のむかしといま Ⅱ 狩りから稲づくりへ

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Ⅱ狩りから稲づくりへ

4 古墳を築いた人々

古墳時代の始まり

写真15 群馬県柴崎蟹沢古墳から出土した三角縁人獣鏡

(東京国立博物館)


縄文時代と弥生時代は、ともにその時代に使用されていた土器の特徴からつけられた時代名称である。これに対して古墳時代は、古墳というその時代特有の墓制を時代名称にしている。その理由は、この時代の最大の特徴は土を盛り上げた大規模な墳墓(ふんぼ)がさかんに築かれたことであり、しかも、そのような特徴はほかのどの時代にも見られないからである。
代表的でしかも重要な古墳は、前方後円墳(ぜんぽうこうえんふん)である。これは古墳時代の幕開(あ)けとともに出現し、北海道を除く全国に分布している。最も古い前方後円墳と考えられているのは、奈良盆地の南東部にある箸墓(はしはか)古墳であるが、宮内庁が管理しているため、発掘調査を行うことができない。この箸墓古墳と同じくらい古いとされているのが、椿井大塚山(つばいおおつかやま)古墳(京都府相楽郡)である。この古墳から出土した副葬品のなかに、すべて中国製とみられる三二面の三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)がある。そのなかに、数は少ないが銘として魏(中国の王朝)の年号が刻まれているものがある。それらは、西暦二三九年と二四〇年にあたる。このことから、古墳時代の開始時期を三世紀の中ごろとする説が広く受け入れられている。

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