谷津ものがたり 7コースガイド

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7コースガイド

④北袋コース

〔参考タイム〕●所要時間1時間10分
(仮称)高尾大宮公園P——0.2㎞阿弥陀堂——0.8㎞鎌倉街道と合流する信号——0.3㎞地蔵と六地蔵——0.5㎞市仏——0.6㎞北袋神社——0.3㎞地蔵堂——0.9㎞阿弥陀堂

《概要》北袋地区は、北本市の北西部に延びる台地の先端部で、あたかも袋小路のような地形である。地形に由来する名前であろう。すばらしい展望が開ける起伏の多い地形で、古墳など歴史遺産も多い地域である。
コースガイド
(仮称)高尾大宮公園駐車場から公園を抜け、阿弥陀堂あみだどう前へでる。このあたりは中世の館跡やかたあとや、江戸時代にさかんであった高尾河岸たかおがしに関係した資料や史跡が多い。くわしくは「高尾河岸想定復元図そうていふくげんず」(『漫画館まんがかん』下巻)を参照。旧舟問屋を左に見て進み、十字路を左折し、次を右折する。その先は緩やかな坂道で谷と台地の関係がよくわかる。信号のある道に合流したら左折する。この道は「鎌倉街道」と伝えられている道で、現在も幹線道路である。右手に大きな地蔵と六地蔵が見える。ここから今来た道を離れて東へ向かい、道は鍵の手状に折れる。鎌倉街道沿いの鉄砲宿てっぽうじゅくと考えられる道筋だ。この辺りが北本市・鴻巣市の境になる。市境にひっそりとたたずむ小さな石仏がある。その昔、鉄砲鍛冶屋てっぽうかじやが住み、いちが開かれたことを示す市仏いちぶつである。鉄砲宿地名の起こりでもある。ここからしばらく西に進むと北袋神社に出る。周囲の梅林と雑木林のコントラストは絵心をはやらせる。昭和30年代まで、この谷には谷津田やつだが整然と並んでいた。今はこの神社下にわずかに耕作されるだけ。大宮台地に残る最後の谷津田であろう。休耕田は、水生植物が可憐な花を咲かせトンボの宝庫ともなっている。北袋神社前の坂を道なりに上り、大きなお地蔵様の角を右に折れると地蔵堂の墓地。道なりに進むと、山王神社さんのうじんじゃと市指定文化財石刻猿せきこくさるの案内板があり、妙音寺みょうおんじの堂が左手に見える十字路にぶつかる。妙音寺の西側、荒川へ落ちこむ崖っぷち辺りが「中井なかい1ごう古墳跡こふんあと」で、渡来人とらいじんの関与をうかがわせる人物埴輪じんぶつはにわ出土しゅつどしたところ。十字路を直進し、道なりに進むと右手に阿弥陀堂が見える。

▲谷津田

▲炭焼き

▲養蜂箱

ひとくちコーナー❻
み田

市内で行われていた伝統的な稲作法には、ツミタ(摘み田)とかマキタ(蒔き田)とよばれる直播じきは法がある。種籾たねもみを灰などの肥料と混ぜ合わせ、直接水田に摘みく方法である。北本では、昭和20年頃まで谷津での摘み田が行われていた。

▲ヘイケボタル

▲シオカラトンボ

ひとくちコーナー❼     
中井なかい1ごう古墳出土こふんしゅつど人物埴輪じんぶつはにわ

高尾6丁目、妙音寺の西側にあった古墳を昭和44年に発掘はっくつしたところ、大きな人物埴輪の頭部とうぶが出土した。西暦500年頃の作と考えられ、朝鮮半島からの渡来人との関係を感じさせる特殊なものである。全国4例目の渡来系埴輪で、市指定文化財になっている。なお、古墳の跡は全く現存しない。

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