北本のむかしばなし くらしをつたえる話

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はいを買う話

みなさんも朝顔やきくなどを育てたことがあるでしょう。どんなひりょうをやりましたか。たいていは、チッソ・リンサン・カリの三ようそをふくんだ化学ひりょうでしょう。あるいは、油かすやけいふんをやったけいけんのある人もいるかもしれません。
ところで、むかしはどんなひりょうを使ったのでしょうか。大豆だいずかすや しいわし、油かすのような金肥きんぴ(お金を出して買うひりょう)も使いましたが、そのほとんどはたいひや下肥しもごえのようなお金のかからない、自分のところでできるひりょうでした。たいひは山に落ち葉をかきに行って、庭先に山のようにたくさんつんで、くさらせて作りました。下肥というのは人糞じんぷんです。自分の家の分だけでは足りないので、町までくみとりに行きました。
カリひりょうとしてもっとも大事だったのははいです。ことに北本では、稲作いなさくがつみ田で行われ、たねもみとはいをまぜてまかなければなりませんでしたし、オカボや麦、サツマイモのひりょうにもたくさん使いましたので、どこの家でも灰はなくてはならないひりょうでした。
むかしはかまどで、麦わら、クズ(落ち葉)、くわのえだや根などをもやしてねんりょうとしていました。かまどから出る灰はすてずに灰小屋に取っておきました。それでも灰が足りないと、鴻巣や岩槻いわつき などから買っていました。なかでもひりょうとしてよいのは、麦わらやいなわらの灰で、水田地帯すいでんちたいの農家や近くの町へ行って買ったり、マキやサツマイモなどと取りかえたりしました。

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