北本市史 通史編 自然

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第6章 北本の生物

第3節 台地の生物

1 台地の植物

北本市の中で最も広い面積を占めている地形は洪積台地(こうせきだいち)(大宮台地)である。台地上には屋敷林、畑、果樹園が分布している。かつての薪炭林はJR高崎線の両側に沿って、まとまった林として分布していた。この林はいわゆる雑木林と呼ばれるクヌギーコナラ群集とマツ林と呼ばれるアカマツーヒサカキ群集である。薪炭(しんたん)および堆肥源としての利用が減少したために人手が入らなくなり、自然度は高いが荒れた林となっている。一方、林の面積は開発が進んでかなり少なくなり、林の保存を要求する声をうけて一部が残されることとなった。クヌギーコナラ群集は二次林で、高木層はクヌギ、コナラ、エゴノキ、アカシデなどで構成されている。林内は管理のされかたによって種の構成が異なっている。
希少な植物としてはRDB(レッドデータブック)にあげられたノジトラノオ、ミゾコウジュのほか、ウラシマソウ、ヤマホトトギス、ヤマジノホトトギス、ヤマユリ、カタクリ、キンラン、ギンラン、ササバギンラン、エビネ、シュンラン、才オバショウマ、ワレモコウ、クララ、ナンバンギセル、トネアザミ、オオヒナノウスツボ、ナライシダなどがある。

写真20 ノジトラノオ

写真21 屋敷林


アカマツーヒサカキ群集は高木層としてはアカマツが優占するが、亜高木層としてコナラ、エゴノキなどの落葉広葉樹を含んでいる林が多い。アオスゲ、ヒメカンスゲなどのスゲ類、 リュウノヒゲやクズ、アズマネザサなどが生えた明るい林である。希少植物としてはリンドウ、ムサシノササクサなどがある。
このほか屋敷林としてモウソウチク、マダケを主とする竹林、スギ、ケヤキ、シラカシ林などが古い屋敷に付随(ふずい)しており、防風林の役目も果たしている。
市内石戸宿・荒井・高尾では台地の縁辺の斜面に林が残っている。この斜面林はアカシデを主とし、クヌギーコナラの落葉広葉樹林やモウソウチクの林が多い。林床(りんしょう)の草本類は台地の雑木林と共通のものもあるが、イチリンソウ、二リンソウ、イカリソウ、ナルコユリ、アマドコロなどが生育している。
市域の気候表から暖かさの指数を算出すると一二七・七度C月である。暖かさの指数から推定すると市域の自然植生は常緑広葉樹林であるが、本来あるはずのシイ、シラカシ林は少なく、コナラ、スギ、タケ類の二次林や植林地に置きかえられている。

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