北本市史 通史編 原始

全般 >> 北本市史 >> 通史編 >> 原始

第4章 巨大な墓を競って造った時代

第8節 祭祀と信仰

政と祭
古墳時代の政治は祭祀と密接な関係を持ち、祭政一致の状態であった。このことは収穫が自然の脅威に左右される農耕を村々や国々の基盤としていたからであって、春の田植えの時期の予祝儀礼(よしゅくぎれい)(豊作を祈願する祀(まつ)り)や収穫時の新嘗祭(にいなめのまつり)など、農事暦の要所要所に、神への祈願と感謝の祀りが個人・国家ともに必要不可欠な時代であったからに他ならなかった。特に困難な願いを達成するためには、神との契約関係である盟約(うけい)が必要であったし、物事の可否を占うためには神意を伺う必要があった。また、古代法には対人、対共同体への罪が規定されていたほか、神への罪(天津罪(あまつつみ))も明文化されており、被疑者の身の潔白を証明するために煮え湯に手を入れる盟神探湯(くがたち)などが行われていた。


<< 前のページに戻る