実録まちづくりにかける集団

北本この人 >> 実録まちづくりにかける集団

第3編 「鼓群奮闘」
   北本太古かばざくら五千日の活動記録

第3章 本格的な太鼓集団を目指して

コンサートをやろう
平成九年十一月二十二日、北本太鼓かばざくらは初めて自分たちのコンサートを開いた。北本太鼓かばざくらは、平成二年創立以来一〇年の目標を定めて太鼓集団としての完成を目指してきた。指導者も無く、曲も持たず、夢だけを基本財産としてスタートしたが、こぶし会関係者から「八丈」を、群馬県湯掛け太鼓から「上州」を基本の曲として学び、縁あって行田が、鼓童の主催する太鼓塾に学んだことにより、太鼓の基本を学習することが出来た。すべての団員が、先に学んだものを指導者として、綿が水を吸収するように自分の音づくりを目指してきた。

写真20 彩の芸術劇場に出演

平成四年、川添講義の手によって「組曲かばざくら・前半三章」の楽譜が出来上がり、二年間はこの曲の仕上げを目指して稽古が続いた。続く平成五年に「組曲かばざくら・後半五章」の楽譜が出来上がり、ここに「組曲かばざくら・全八章」の楽譜が完成した。
行田・大畑陽子の二人を中心的指導者として、楽譜を曲に仕上げるための稽古が、一週間に一回のペースで足かけ四年。この間に、澤田千穂の自発的学習によって習得した「大太鼓」を取り入れ、演奏の幅を広げることに成功した。われわれは、前年度のアメリカ公演を終えたところから、次のテーマとして宣言した「自主コンサート」をメイン事業して一年間を過ごしてきた。
一〇年で完成をという目標設定でスタートした北本太鼓かばざくらが、八年目となる今年、一〇周年を見据えた中でどのような舞台づくりをすれば良いか、テーマと課題を求めてコンサートに挑戦してみることとなったのである。長かったようでも、あっと言う間に過ぎ去った四年の歳月で、完成をみた「組曲かばざくら・全八章」を、これまで暖かく支えてきていただいた市民の皆様に、一度は全曲を通して聞いていただきたいと、初めて自主コンサートの形で実施することが出来た。
せっかく市民の皆様においでいただくことから、もっと北本を知っていただくために、地元北本市に在住の音楽演奏家の方にお願いして、特別出演をしていただいた。尺八の関口聖岳、お琴の大島昭子を迎えた舞台である。お二人はそれぞれの分野では、多くのお弟子さんを抱えて指導されておられ、コンサートや演奏会を数多く経験されている、有名な音楽の実践家の方々である。
記念すべき、はじめてのコンサートへの出演をお願いしたところ、快くお引き受けを頂き、素晴らしい舞台づくりに、お力を貸していただけたことは、大きな力となった。特に関口聖岳には「大太鼓」の曲で共演していただき、私たち「北本太鼓かばざくら」にとって、新しいレパートリーづくりとなったことは、感謝してあまりあるものとなった。
北本太鼓かばざくらの誕生から現在まで、ずっと育成に協力をしていただいている社団法人北本青年会議所の皆様にも、大変な負担をかけてきた。舞台設営・転換など裏方業務を一手に引き受けていただき、想定していたスケジュール通りの舞台はこびが出来たことは、さすがチームワークの力と、感動と感謝にあふれるものとなった。
コンサートの構想案発表から、約一年の準備期間を費やし、不安と心配の連続の中で、舞台構成・担当パートの割り振りによる稽古・スタッフの構成・シナリオの作成・プログラムやチラシの作成・支援者の依頼・ゲストの依頼と打ち合わせ・合同稽古と、次々に消化しなければならない課題が続出する中で、日にちは遠慮無く過ぎていった。
緑のフェスティバルの出演・東中文化祭でのワークショップ・第六期の太鼓塾運営・北本祭りへの出演などの外部行事への協力も例年通り実施される中、二度の公開練習をはさんで、当日を迎えることとなった。
果たしてお客様は来てくれるのだろうか、演奏はしっかりできるのだろうか、運営に手落ちはないだろうか、プログラムに折り込んだワークショップではお客様が舞台に上がってくれるだろうか、メンバーに欠員は生じないだろうか、様々に不安を抱えての開幕であったが、緞帳が上がると同時にすべての不安は一挙に吹き飛び、あっと言う間に約二時間の初コンサートは終了してしまった。
舞台効果の面では、㈱テイクの米沢、水上そしてフリーの照明専門家の長島など、多くのプロの方々にもご協力をお願いし、わがままな舞台造りを仕上げてもらうことができた。たくさんの皆様に支えられ助けられ、大成功のコンサートであったが、一〇周年の本舞台に向けて更に稽古を続けていく決意を新たにした。
北本太鼓コンサート企画書(構想案)

平成九年一月十二日提案


日時 平成九年十一月二十二日 午後
場所 北本文化センターホール
出演 北本太鼓・かばざくら
ゲスト 関口聖岳氏・大島昭子氏(希望)
演奏曲
  オープニング(基本打ち)
  子供八丈
  組曲かばざくら
  にぎわい(上州変奏曲)
ワークショップ
  Aパターン 舞台構成の基本
北本太鼓の成り立ちから現在までをストーリー化する
ゲストは地元の演奏家として特別出演してもらう
大道具として「北本ねぶた」を使用したい
照明・舞台監督・演出はボランティアの専門家に協力を願う

<< 前のページに戻る