谷津ものがたり まえがき等

自然2 >> 谷津ものがたり

はじめに



雑木林は、人里に存在することから「里山林」とも呼ばれ、人に管理された二次林でした。近年までその下草や落ち葉は堆肥たいひとし、木はたきぎとして利用されていました。芽ぶきのころの雑木林の美しさは格別です。早春に咲くかれんなカタクリ、シュンラン、枯れ葉の中に一点色をそえるスミレの花は雑木林の代表です。しかし、化学肥料の普及や燃料の変化にともない、雑木林は荒れはじめました。農業にかかわる人の減少もそれに拍車をかけました。都市化にともなう宅地開発は雑木林そのものを減少させました。これらによって、カブトムシやチョウなど身近な生き物も姿を消しつつあります。これらのことから、農業によって守られてきた雑木林の変質と、農業を取り巻く環境が少しずつ変化してきていることを教えられているようです。





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