デーノタメ遺跡 調査の概要

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第3章 調査の概要

第4節 低湿地の調査(第4次調査)

2 縄文時代中期の遺構と遺物
(2) 砂道跡(第19図、写真40・41)
砂道跡はD3・D4グリッドを中心に位置し、2号溝跡に切られている。調査区の北東部には本流の岸辺となる高まりが認められ、砂道跡はここから南へのび、東へL字形に展開する。最大幅で2.4m、延長で10.4mの規模である。淡茶褐色粘土と砂を混在し、踏圧による堅緻な面を約12cmの厚さで形成する。C3・4グリッドではⅡb層とⅠb層との間に構築されており、2号クルミ塚と同時期であることがわかる。
本遺構の用途は明確でないが、泥濘な泥炭層中の歩行を容易にするための遺構であると想定されよう。遺構周辺には土器片が多く、これらの土器等を廃棄する際に利用されたものと思われる。なお、遺構中からも加曾利EⅠ式・阿玉台式土器が検出されている。

第19図 砂道跡

第1層 灰茶褐色土 黒色シルトと砂の混合で等質、クルミ土器多く含む
第2層 黒茶褐色土 植物質シルト層、砂若干含む
第3層 灰茶褐色土 中粒砂層、クルミ等多く含む
第4層 黒灰褐色土 植物繊維を多く含み、木片、自然木を多く含む
第5層 暗茶褐色土 砂質、シルト層

写真40 砂道跡全景

写真41 砂道跡近景

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