デーノタメ遺跡 調査の概要

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第3章 調査の概要

第3節 台地上の調査(第1次調査~第3次調査)

2 縄文時代の住居跡の調査
第1次~3次調査によって確認された住居跡群は全部で24軒であり、縄文時代中期後葉から後期前葉にわたる。具体的な時期は中期の勝坂期が3軒、加曾利EⅠ期が18軒、加曾利EⅡ期1軒、加曾利EⅢ期1軒、及び後期中葉の加曾利BⅠ期の住居跡が1軒である。
調査区は、北部低地から南部に向かって緩やかに傾斜しながら、比高差でおよそ3m標高が増したところで平坦部に到る。さらに南へ向かうと再び緩傾斜となって標高を減じ、遺跡に南接する浅い谷地へ到達する。住居群の分布は台地肩部から平坦部にかけて密集している状態であり、北部においては低地部へ接する直前まで広がっている様子が窺える。その分布形態は調査区内では弧状を呈していた。
勝坂期の住居跡は総じて壁高が高い。主柱穴は大きく、その配置に規格性が認められる(第8・9図)。また、主体をなす加曾利EⅠ~EⅡ期の住居群はその形態や規模に差異がみられる構成である(第10・11図)。
加曾利EⅢ期の住居跡は柄鏡形を呈し、また、後期の住居跡も南部に張出部をもつ(第12・13図)。

第8図 第2次調査7号住居跡

第1階層 暗茶褐色土  ローム粒・焼土粒・炭化物多く含む。
第2階層 茶褐色土   焼土粒・炭化物粒多く含む。
第3階層 黄茶褐色土  ロームブロック多く含む。
第4階層 黄褐色土   ロームブロック・焼土粒多く含む。
第5階層 暗黄茶褐色土 ローム粒・焼土粒・炭化物粒多く含む。
第6階層 赤茶褐色土  ロームブロック・炭化物粒若干含む。

第9図 第1次調査8号住居跡

第1層 褐色土  ローム粒・炭化物粒若干含む。
第2層 茶褐色土 ローム粒・炭化物粒若干含む。
第3層 明褐色土 焼土粒・炭化物粒多く含む。
第4層 暗褐色土 ローム粒・炭化物粒若干含む。

第10図 第1次調査1号住居跡

第1層 黒茶褐色土 炭化物粒多く粒含む。
第2層 暗茶褐色土 ローム粒・炭化物粒多く含む。
第3層 暗茶褐色土 ローム粒若干含む。
第4層 黄褐色土  ローム粒・焼土粒・炭化物粒若干含む。
第5層 茶褐色土  ローム粒多く含む。
第6層 黄褐色土  ロームブロック多く含む。

第11図 第2次調査4号住居跡

第1層 暗茶褐色 ローム粒多量、焼土粒若干。
第2層 茶褐色土 焼土粒、炭化物粒多く含む。
第3層 暗黄茶褐色土 ロームブロック、炭化物粒多く含む。

第12図 第2次調査9号住居跡

第Ⅰ層 褐色土   表土層
第Ⅱ層 茶褐色土  表土層 ローム粒多い
第Ⅲ層 暗褐色土  表土層 ローム粒多い
第1層 茶褐色土  炭化物を若干含む。
第2層 黄茶褐色土 焼土粒、炭化物を若干含む。
第3層 褐色土   ローム粒・焼土粒若干含む。
第4層 明褐色土  炭化物・焼土粒若干含む。
第5層 明茶褐色土 炭化物若干含む。
第6層 明褐色土  ローム粒・炭化物多量に含む。
第7層 暗茶褐色土 ローム粒・炭化物多量に含む。

第13図 第2次調査11号住居跡

第1層 黒茶褐色土 ローム粒、炭化物粒若干含む。
第2層 暗褐色土  ローム粒、炭化物粒多量に含む。
第3層 褐色土   ローム粒多量・炭化物粒若干含む。
第4層 明褐色土  ロームブロック、焼土、炭化物粒多量に含む。
第5層 明茶褐色土 ロームブロック、炭化物若干含む。
第6層 明褐色土  ロームブロックが主体をなす。
第7層 暗茶褐色土 ローム粒を多量に含む。

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