デーノタメ遺跡 各種分析の概要

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第4章 各種分析の概要

第1節 デーノタメ遺跡から出土した木材・大型植物遺体の14C年代測定

工藤雄一郎・能城修一・佐々木由香

はじめに
埼玉県北本市デーノタメ遺跡から出土した木材、種実、炭化材等の14C年代測定を実施したので、その結果について報告する。

1) 分析試料
分析試料は、能城によってウルシと同定された材5点、1号木組遺構の試料1点、1~6号クルミ塚の試料7点、2号溝状遺構の試料4点、3号溝状遺構の試料1点、6号土坑の試料1点、花粉分析が実施されている調査区南東部および南部の壁面柱状サンプル(第Ⅳ章2節参照)の試料9点、の合計27点である。

2) 分析方法
ウルシ材は北本市教育委員会において工藤が採取した。その他の分析試料は北本市教育委員会が選定した後、(株)パレオ・ラボで大型植物遺体および炭化材の同定を行った後、国立歴史民俗博物館に送付した。これらの試料は国立歴史民俗博物館の年代測定資料実験室で肉眼および実体顕微鏡下で観察し、可能な限り付着物や混入物を除去した。試料を秤量後、遠沈管に入れ、蒸留水で超音波洗浄を行い、試料に付着した土壌や埃などを除去した。次に、埋蔵中に生成・混人したフミン酸や炭酸塩などを溶解・除去するため、酸-アルカリ-酸(AAA)処理を行った。アルカリ処理は、試料の状態に応じて0.005~1.2mol/1水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液により、室温~80℃の処理を行った(吉田2004)。徐々にNaOHの濃度を濃くして、水溶液が着色しなくなるまでこの操作を繰り返し行うのが原則だが、試料の状態によっては全て溶解してしまうため、0.1mol/1のアルカリ溶液で処理を終したものもある。AAA処理後、試料を乾燥して秤量した。
これらの試料を(株)パレオ・ラボに送付し、試料のCO2化からグラファイト化、加速器質量分析計(AMS)による14C濃度の測定までを(株)パレオ・ラボに委託した。機関番号はPLDである。

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