北本市史 通史編 近代

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監修にあたって
北本市史監修者 大村 進
昭和五十三年に開始された北本市史編さん事業は、市民の皆様の絶大なるご支援と関係各機関のご理解により、順調にその事業を進めることができました。お陰様で今日までに一三冊の調査報告書と五冊の資料編を刊行し、その間には、別冊編として『北本のむかしばなし』、写真集『雑木林のあるまち』をも刊行し、市民の皆様のみならず市外の多数の方々からも高い評価を受けてまいりました。このたび、それらのまとめとして通史編二巻のうち、まずここに一巻を上梓できますことに対し、関係者の一員として衷心から感謝申し上げます。今回刊行の『通史編Ⅱ』には、明治初頭から昭和二十年の終戦までの間を取り上げた「近代編」と、戦後から現在までを扱った「現代編」を合わせて収めました。
北本市は、東京から五〇キロ圏に位置しながら豊かな自然と、すぐれた先人たちによって培われた歴史を残す街として広く知られてきました。その恵まれた自然環境や歴史・文化をしたって多くの人々が北本を第二の故郷にしようと移り住み、今日の北本ができたと言えましょう。
私は、監修者としての立場から全ての原稿に何度となく目を通して参りましたが、執筆にあたられた皆様はいずれもその分野の練達の士ですので、その研究成果を尊重することを基本とし、記述の重複矛盾を避けるなど、一冊の刊行物としての体裁の統一を図ったに過ぎません。ご多用ななかを献身的に執筆された皆様をはじめ、資料を快く提供された市民各位、並びに資料収集や、執筆者間の連絡調整、最後のまとめ等にいたるまで献身的努力を払ってくれた編さん室職員の尽力に深く感謝の意を表します。
今後北本市では、市民の方々により読みやすく親しみ深い市史や、児童生徒にも楽しんで読める平易な市史を編さんしょうとの計画もあります。また、とどまることのない歴史を記録する作業は永遠に続きますので、過去一五年にわたって市民各位の協力のもとに集めた資料と、これから発掘されたり作り出される資料を市民共有の財産として適切に保存し、活用措置の講ぜられる機関が必要になってまいります。本書が各方面で有効適切に利用され、北本市の歴史に対する理解を深められるとともに愛郷心の涵養に役立てていただければ幸いと存じます。
終わりに、長年編さん委員長としてご指導くだされました斎藤邦康氏が、刊行を目前にして病いのためお亡くなりになりました。ここに生前のご指導に深く感謝し、事業の達成をご霊前にお誓いして、心から御冥福をお祈り申し上げます。

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