第1章 戦後復興期の北本

第7節 民主化される教育

3　学校教育施設の拡充と活発な研究活動

充実する施設
ないないづくしで始まった戦後教育も、新しい方向が定められ、軌道（きどう）にのってくると共に、施設、設備が次々に改善増設された。『中丸小学校八〇年史』により中丸小の場合について、校舎、設備の充実の歩みをみてみよう。
昭和二十四年九月　一号校舎三教室増築
　　二十六年七月　給食室新築
　　二十七年七月　五号校舎（二階建八教室）新築
五号校舎新築の際は、同年一月から校舎増築運動が高まり、四月に用地を買収し、整地のため父兄による勤労奉仕が八日間行われた。この校舎の新築により、旧役場改造の二教室が不要となり、翌二十八年取り片付けられた。
昭和三十三年四月　六号校舎（二階建八教室）新築
　　三十七年　　　給食室増築
　　四十年　　　　給食室新築
昭和三十三年の校舎新築は、第一次.ヘビーブームで生まれた子供達が学齢期に達したことによる児童数の増加と、明治四十二年（(一九〇九）建築の校舎二教室、大正七年（一九一八）建築の校舎五教室が老朽化したことによって計画化されたものであった。新築までの進行過程の中で、昭和三十二年七月、国庫補助をうけるために文部大臣あてに次のように陳情が行われた。

（『中丸小学校八〇年史』P二四九より引用）

また、校舎の新増築にともなって新しい内容の教育を行うための設備面での拡充もはかられるようになった。
放送設備
昭和二十七年　全校内教室に拡声機を取りつける。
　　三十四年　テレビが特別教室に備えられる。
　　四十一年　七台のテレビが備わる。
体育設備
昭和二十六年　低鉄棒を増設する
　　二十七年　運動用具小屋を移築する
　　二十九年　高鉄棒を増設する
　　三十六年　プランコ・シーソーを設置する
理科学習環境の整備
昭和三十六年　養魚池二個を新設する
　　三十九年　実験用水田・水草園を設置する
　　四十一年　小鳥飼育舎を拡張する
　　四十二年　中丸動物園を増設する
音楽関係設備
昭和二十五年　アッブライトピアノを購入する
　　三十五年　グランドピアノを購入する
　　　　　　　鼓笛（こてき）バンド楽器一式を購入する

（『中丸小学校八〇年史』より作成）

一方、石戸小でも児童数の増加のため昭和三十四年、二階建て校舎が増築され、翌三十五年には給食室、三十八年には体育館が新築されるなど、施設面での充実がはかられた。また、四十五年には、鉄筋三階建て校舎(一五教室)が新築され、明治四十一年（一九〇九）以来の三棟（一六教室）は姿を消すことになった。また、中丸小と同じように設備面での拡充も進んだ。
昭和二十五年　ピアノを購入する
　　三十八年　岩石園を造る
　　三十九年　泉水池を造る
　　四十年　　小鳥小屋を建てる
　　四十一年　花壇（かだん）を造る
　　四十三年　低学年用小プールを造る
　　四十六年　温室・プールを造る

（『石戸小学校六〇年史』・『石戸小学校八〇年史』より作成）

北本で唯一の中学校であった北本中も、昭和二十五年の開校以来、施設・設備面での整備の努力が続けられた。
昭和二十五年　第一校舎を建設する
　　　　　　　第二校舎を建設する
　　二十七年　調理室を建設する
　　二十八年　講堂を建設する
　　三十四年　産業教育工業実習室を建設する
　　三十六年　第三校舎を建設する
　　四十四年　鉄筋三階建六教室を建設する　　
（設備面）
昭和二十六年　実物幻灯機（げんとうき）を購入する
　　　　　　　野球バックネットを設置する
　　二十七年　運動具室を建てる
　　三十八年　放送設備を設置する
　　三十九年　バレー ・テニスバックネットを設置する
　　四十二年　屋外卓球台を設置する

（『北本中学校四〇年史』より作成）