北本市史 資料編 現代

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第1章 政治・行政

第1節 戦後の村政

警察・消防
戦前の警察制度は内務大臣に統率された全国一元組織であり、国民からみれば思想・言論・集会などの自由を抑圧する権力機関であった。これが解体され、民主警察として再発足したのは昭和二十三年である。
新しい警察制度の施行によって、自治体警察と国家地方警察(国警)とに分割され、それぞれが公安委員会によって運営されるようになり、一元的・集権的体制にかわって、地域住民と密着した警察へ再生した。自治警は人口二万人以上の各市町村に設置することとされたため、北本宿村は国警鴻巣署(北本宿・常光・加納・川田谷村を管轄)の管下に部長派出所が設置され、第三駐在所が新設された(資料11)。
しかし新しい警察制度は定着しなかった。自治警察を設置した市町村から財政負担が過大であるという批判があがり、これを利用して旧内務官僚は自治警察廃止へ世論を誘導し、昭和二十九年になると警察法を改正し、国家公安委員会―警察庁―県警察本部という集権体制を復活した。この時、国警鴻巣署と自治警鴻巣・同吹上・同桶川署とが合体し、北本宿村は新しい県警鴻巣署の管轄するところとなり、今日に至っている。
消防組織の再編成は、警防団の改組から始まった(資料12)。警防団は旧消防組に防空の任務を付与して編成した(昭一四)戦時組織であったから、まず平時の消防組織に改められたのである。翌昭和二十二年消防組織法が施行され、法に基づく戦後消防団が発足した(資料13・14)。しかし装備の近代化は著しく遅れ、腕用ポンプを主力とする消防団、これが昭和二十年代の実態であった(資料14)。
消防団の活動については、資料15を採録した。同資料は水害・干害に対しての出動記録であるが、田植用水のための揚水作業は、地域性を反映した活動記録といえよう。

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