北本市史 資料編 現代
第2章 北本の農業
第5節 市町村合併と農業団体の統廃合
79 昭和三十六(一九六一)年八月 北本町農業協同組合合併構想案(『農協合併関係綴』)
北本町地域における農業協同組合合併構想案
昭和三六年八月
北本町農業協同組合合併協議会
第一 | 基本方針 |
北本町地域内にある中丸及び石戸両農協が合併し、組織を拡充整備して、農業情勢の変化に対処して、組合員の農業経営の近代化等に充分役立つことができるような、経営体制を確立するため次の方針によって合併計画を樹立する。 | |
1 | 組合員へのサービス本位に、組合の機構、管理方式、事業の在り方等を考える。 |
2 | 北本町の農林行政施策と密接な連けいを保ちながら、組合員の営農改善に役立つような施策を積極的に講ずることとし、次の事項の実現を期する。 |
(1) | 県及び北本町の援助を得て優秀な営艘指導員を設置する。 |
(2) | 農業転換期に対処してこの地区に適した畜産、園芸等の振興を図る。 |
(3) | 信用を高め、組合経営の基礎を固め、土地売上代金等を安定貯金として吸収するとともに、営農近代化資金等の充分な供給を図る。 |
3 | 文化厚生事業をさかんにし、組合員とのつながりを強化する。なお、これらの目的を達成するため、有線放送施設の整備を考慮する。 |
第二 | 合併の構想 |
1 | 合併する組合 |
合併する組合は北本町の地域内にある中丸、石戸二組合とする。 | |
2 | 合併の形式、名称 |
合併の形式は新設合併とする。 | |
新組合の名称は「北本町農業協同組合」とし、その地区は、北本町一円とする。 | |
3 | 合併による規模(三六・三・三一) |
(1) | 組織人員 一、三五四人 |
内訳 正組合員 一、一九五人 | |
準 〃 一五九人 | |
(2) | 事業 |
貯金高 八七、八七七千円 | |
販売受入高 九八、〇〇一 | |
購買品供給高 四〇、五〇五 | |
共済保有高 四四、一五〇 | |
職員数 一六人 | |
4 | 合併の進度日程 |
予備調査(基準日調査)昭三六・三・三一 | |
基準日 〃 | |
合併の時期 昭三六・一一・一 | |
5 | 執行体制 |
(1) | 役員 |
理事一三人・監事五人とし、任期は三年とする。 | |
但し当初の一ヶ年以内に限り 理事一九人監事八人とする。選任制を採用する。 | |
(2) | 常勤理事 二人以内とする。 |
(3) | 参事 運営の中心となる法定参事一人をおく。 |
6 | 機構 |
(1) | 本所一、支所二ケ所をおく。 |
(2) | 本所は当分の間北本町大字北本宿五六六番地におく。 |
尚支所一ヶ所については新たに中丸小学校附近におく。 | |
7 | 事務処理体制 |
(1) | 経理は、本所集中経理とする。 |
(2) | 支所の事務はなるべく箇(簡)素化して、専ら外務活動を活発にして、組合員え(へ)のサービスの向上につとめる。 |
(3) | 事務分掌 |
本所 総務・経済・指導の三課制とする。 | |
支所 信用・経済の二係をおく。 | |
別に外務員をおく。 | |
第三 | 合併の条件 |
組合間の財産の不均衡、欠損金の有無、出資金の多少等については余りこだわらないように円満な話し合いをすすめる。 | |
1 | 出資金 |
一口一、〇〇〇円とする。合併前の出資金はそのまま引きつぐ。 | |
2 | 財産管理 |
各組合は基準日から合併の日まで、それぞれの財産を善良に管理し、また誠実に業務を執行する。 | |
3 | 合併時の職員は、新組合に全員引きつぐものとする。但し、配置については適材適所主義により適宜配置換えをする。 |
第四 | 事業計画 |
1 | 事業の目標 |
種別 | 三六・三・三一 | 三九・三・三一 |
---|---|---|
千円 | 千円 | |
貯 金 | 八七、八七七 | 三〇〇、〇〇〇 |
貸 付 金 | 六、二五九 | 三二、〇〇〇 |
購買品供給高 | 四〇、五〇五 | 五一、〇〇〇 |
販売受入高 | 九八、〇〇ー | 一一一、〇〇〇 |
共済保有高 | 四四、一五〇 | 八〇、〇〇〇 |
出 資 金 | 六、三四〇 | 七、〇〇〇 |
(信用事業) | |
イ | 貯金 組合の信用を高めることに努力し、農外収入の吸収にもっとめ営農生産資金の確保と組合員の貯金の保全、並びに貯蓄の増強に資する。 |
(イ)貯蓄奨励制度を設ける。 | |
(ロ)外務員制度を採用する。 | |
ロ | 貸付金 組合員の営農活動とくに共同化、協業化等の資金に対し充分に供給する。 |
(イ)貸付限度額を引上げる。 | |
(ロ)貸付金利の引下げに努める。 | |
(購買事業)生産資材は地区内の需要全量を供給できるような体制を整える。 | |
イ | 共計方式を採用し、予約購買を推進する。 |
ロ | 庭先サービス等の強化を図る。 |
ハ | 手数料の引下げを図る。 |
(販売事業)地区内生産物の全量取扱体制を確立する。 | |
イ | 米麦の外畜産、及び園芸事業の伸長を図り集荷を期する。 |
ロ | 手数料の引下げを図る。 |
(共済事業)農家経済の生活安定を図るため全戸加入を奨励し契約高の増加につとめる。 | |
(加工、利用事業)組合員の利用状況、その必要度の有無等を考慮し施設の能率化と事業の推進を図る。 | |
(輸送事業)組合員の生産物の輸送を図り経費の節減と販売面に於ける有利制を確保する。 | |
(指導事業)組合員の近代化農業に寄与するよう指導事業の強化を図る。 | |
イ | 専門指導員を設置する。 |
ロ | 賦課金の低減につとめ尚その活用を図る。 |
2 | 新規事業計画 |
(1) | 営農指導員の設置 二人 |
(2) | 園芸及び畜産振興地区の設定 |
(3) | 低利資金の貸付拡充 |
(4) | 施設の整備(事務所の新設等) |
(5) | 有線放送施設の整備 |
3 | 合併に伴う援助計画 |
区分 | 第一年度 | 第二年度 | 第三年度 | 計 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
利 子 補 給 | 二八九 | 一九二 | 九七 | 五七八 | |
参時設置費補助 | 一九二 | 一九二 | 一九二 | 五七六 | 2/3 |
営農指導員設置費補助 | 八〇 | 八〇 | 八〇 | 二四〇 | 1/3 |
町援助(期待額) | 五〇〇 | 五〇〇 | 五〇〇 | 一、五〇〇 | |
計 | 一、〇六一 | 九六四 | 八六九 | 二、八九四 |