北本市史 資料編 現代
第5章 変貌する社会
第5節 都市化と道路の充実
144 昭和二十八(一九五三)年一月 荒川左岸国・県道整備期成会規約と陳情書(『土木関係綴』)
荒川左岸国県道整備期成会規約(抄)
第一条 | 本会は荒川左岸国県道整備期成会(以下期成会と云う)と称する |
第二条 | 本会は荒川左岸の地区発展振興に寄与する為、国県道の新設改良補修等について運動方策の協議並びに関係当局えの折衝等道路整備の実現に邁進するをもって目的とする |
第三条 | 本会の事務所は会長所在町村役場に置く |
第四条 | 本会は荒川左岸地区の国県道に関係ある町村(吹上町、小谷村、箕田村、田間宮村、鴻巣町、馬室村、北本宿村、桶川町、大石村、大谷村、平方町、指扇村、植水村、大久保村、与野町、土合村、美笹村)の長及び議会の代表者をもって組織する |
(中略) | |
第十一条 | 本会の経費は関係町村の負担金及び寄附金をもってこれにあてる |
第十二条 | 本会の収支は毎年度一回監事の監査を受け総会に報告するものとする |
第十三条 | 本会の会計年度は毎年四月一日から三月三十一日までとする |
附則 | この規約は昭和二十八年二月二十五日からこれを施行する |
陳情書
幾多の試煉を経て、日本はこれから独立国として世界列強国に伍して自由と平和確保に貢献して行かなければならない。現在最も重要な事は、食糧の増産と国民生活の安定にあることは云う迄もないところであります。
こゝに食糧の増産と地方物資の交流、産業経済発展の為に、北足立郡吹上町を起点として小谷、箕田村の旧国道を利用し田間宮村原より国道西側の線に添って南へ与野町八王子を経て土合村に至る間(別紙図面参照)、現在の道路を拡張改良御施行の上県道として御指定相仰ぎ度御願い申上げる次第であります。
近年国道は特に車馬の交通激増の為交通事故多く、地方住民の頭痛の種となつて居る現状で国道交通緩和と人命損傷防止の上にも本道路は緊急必要のものと考へられます。本路線は戦時中にも計画された事もあり、関係町村民一般交通上にも産業振興上の為にも速かに其の新設改良を熱望し来ったものであります。尚新設予定の路線は別紙図面の通り吹上町を起点として旧国道を南進、小谷・箕田両村を過ぎ田間宮村原地内より国道を分岐、鴻巣駅西側煉炭工場脇より馬室村に入り原馬室地内を経て北本宿村中学校西側道路を南へ桶川町上日出谷より大石村小学校前を通過、大谷村太平中学校前より指扇村清河寺西(国旗掲揚塔前)を過ぎ、植水村水判土慈眼寺東側より与野町八王子に入り、更に南進土合村に至る区間であります。何卒事情御賢察の上特別の御詮議を以って速かに御採択相成度、関係町村連署を以って懇願申上ぐる次第であります。
昭和二十八年一月三十日