北本市史 資料編 現代

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第6章 教育と文化

第2節 学校教育施設の拡充

171 昭和三十九(一九六四)年三月 町営プ—ル建設の陳情
  (『陳情請願関係綴』)
     陳情書
北本町教育行政関係者の深い御理解により、小中学校とも着々向上発展を見ていることは、私達PTA連合会々員一同深く感謝致して居ります。
さて昨夏荒川において小中学校児童生徒四名が水の犧牲者となった事故は私達父母にとって永遠に忘れられないことでありましょう。再度あのような事態がおこらないよう役員教師ともども水泳禁止区域を巡視してまいりました。
御承知の通り夏季における児童生徒達の生活は水と切りはなして考えられない程親しみ深いものです。なお且、泳ぐことは人間が生命を維持する上に備えなければならない大切な能力です。又、泳ぐことにより柔軟な水の抵抗を受けて身体の発達が促されると共に、子供の欲求が満足されることになります。しかし、安心して泳げる場所は北本町において一カ所もありません。用水堀は薬剤の混入、荒川は汚水の混入、建設ブームによっての砂、砂利の乱掘による深さ数メートルに及ぶ深地が多く、きわめて危険、且、非衛生的です。戦前までは、どの家庭でも心配なく児童生徒を河川で自由に遊ばせることが出来ましたが、今日の状態を考えると現在の児童に対し私達父母は重大なる関心を持たざるを得ません。PTA集会等で度々その解決策について討議されてきましたが、満足する結果が得られず現在に至った次第です。この間各単位PTAでは、プール建設に必要な調査を進めたり、廃品回収をおこないプール建設資金の一部にと努力してまいりましたが、莫大な予算を必要とするので昭和三十八年十二月十四日PTA連合会理事会でその解決策を慎重審議した結果、町営プールを新設していたゞくことが良策と満場一致決議した次第です。
右、事情を御賢察くだされ早急に着手し、三校児童生徒に正しい水泳指導が出来ますように御高配賜りたく、町内三校PTAの願いをこめてお願い申し上げます。
 昭和三十九年  月  日
  北本町PTA連合会長 諏訪 富栄㊞
   〃     副会長 細田 由雄㊞
   〃         関口重太郎㊞
           (以下略)
北本町教育委員会委員長
     岡野造酒蔵 殿

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