北本市史 民俗編 民俗編一覧

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発刊にあたって
北本市教育委員会教育長 峯尾 榮
このたび北本市史第六巻「民俗編」発刊のはこびとなりました。
これまで発刊された「資料編」とは全く趣を異にし、内容も平易で、この北本の地に生を受けた先人たちにより大切に継承されて来た親しみ易い数々の民俗資料が収録されています。
現在北本市は、「緑に囲まれた健康な文化都市」を標榜し、人口六万一千余人の新興都市として急激に発展してまいりました。西部の起伏に富んだ緑豊かな地、古代人の住居跡のある八重塚山も、現在は北里メディカルセンター病院と変貌し、その周辺も県営自然観察公園として整備されつつあります。また、中央では、松並木で象徴された中山道をはさんで東西に町並が開け、かつての山林や田畑は密集した市街地に変わり、東部も北本総合公園、そして市民体育館の建設計画も進み、穀倉地帯の影も薄れてまいりました。
全国各地より、この北本を第二の故郷として移住した新住民も全市民の八割を越え、新しく住民による北本の文化が創造されつつあります。
一〇年前始まった市史編さん事業も、この急激な都市化現象により失われて行く北本の古き良き時代の姿を後世に伝えるための大事業であります。とりわけ、この「民俗編」に収録された私たち祖先の暮しの資料は、たまたま藁屋根の民家が近代建築に変わり、往時の農耕での生活の苦労を顔のしわに刻んだ古老の方々も寄る年波でこの世を去って行く時期に当り、貴重な資料を提供して下さった多くの市民の方々のご協力と、優れた編集関係者の永年にわたる汗の結晶として収集されたものであります。
この本をひもといて、先人の足跡をしのび、また北本にまつわる伝承、慣習、信仰、年中行事等を知ることにより、郷土の歴史との出合いを果していただけたらと切望する次第です。
おわりに、この「民俗編」の編集と刊行にご尽力いただいた多くの関係者の皆様に厚く御礼申し上げご挨拶といたします。
  平成元年三月

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