北本市史 民俗編 民俗編一覧

全般 >> 北本市史 >> 民俗編 >> 民俗編一覧

編さんにあたって
北本市史編さん委員長 江袋文男
このたび北本市史第三番目の刊行資料として、第六巻「民俗編」を刊行するはこびとなりました。この「民俗編」は古くから北本地域に生活された人びとの長い生活の歴史の中に育まれ、伝えられてきた風俗、習慣等の貴重な記録であります。
我が国の歴史を顧みるとき、異民族の侵略等によって、日本固有の文化が破壊断絶されたことがなく、日本の伝統文化の上に外来文化を吸収し、積み重ねていった重層文化であります。北本市の民俗も、また同様に先人の努力によって、豊かな自然と連帯の暮らしの中で育てられてきたものであります。
しかしながら、戦後我が国の急激な高度経済の発展と、科学技術の進歩やそれに伴う都市化という、社会構造の変化によって、生活様式は一変し、社会慣習や年中行事等も、しだいに消え去ってゆくものが多い。また、古い農家の改築等により、昔の生活を物語る民具、衣類等も、しだいに姿を消しふるさとを思う心さえも忘れ去られてゆくことは淋しいことであります。また、現代の人びとは、与えられる豊かさと文明の恩恵に酔い、ふるさとの人びとの心の豊かさや、地域社会の自治や連帯感が薄れつつあることは大変に遺憾なことであります。
この「民俗編」の刊行によって、昔の人びとの地域連帯感や、相互扶助の心をふり返り、北本市の新しいふるさとの創生に役立つならば幸であります。
終りにこの「民俗編」の企画、調査、編集、執筆に当たられた大村編集委員長、内田編集委員、金子専門調査員、その他多くの本書の刊行に関係された方々に心から御礼申しあげます。
  平成元年三月

<< 前のページに戻る