北本市史 通史編 自然

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第6章 北本の生物

第4節 都市化と生物

3 帰化動物

鳥類
石戸宿・高尾などにはキジがかなり繁殖(はんしょく)している。埼玉県の場合には、大正八年(一九一九)に朝鮮半島から移入して放したコウライキジが、純粋な在来のキジとの間で雜種を生じていると言われるが、市内のキジについての詳(くわ)しい調査はされていない。
市内の各地に多い帰化鳥は中国原産のコジュケイで、一九四〇年代から目立つようになった。
東南アジア原産で越谷市を中心に繁殖し、「埼玉県の鳥」に指定されているシラコバトは、昭和の末期から市内で見られるようになってきたが、急速に分布を拡大し、今では普通に見られるようになった。
荒川河川敷などでは飼い鳥のべニスズメ、ブンチョウ、ジュウシマツ、セキセイインコがスズメの群れに混じって発見されることがある。
爬(は)虫類
ミシシッピーアカミミガメは、アメリカ南部原産で、ミドリガメとも呼ばれ、ペツトとして輸入され、逃げたり捨てられたりして野生化した。蓮沼に見られる。
両生類
ウシガエル(食用蛙)は、アメリカから食用の目的で移入したものが逃げ出して繁殖したものである。市域では昭和十五年(一九四〇)ころから徐々に個体数を増して現在に至っている。蓮沼・石戸宿に多産する。
魚 類
アジア東北部原産カムルチー(別名ライギョ)はウシガエルとほぼ同じ時期に侵入した。昭和十五年(一九四〇)ころに姿を見せたチョウセンブナ(別名トウギョ)は数年で姿を消してしまった。メダカにかわって増えてきたカダヤシ(別名タップミノー)およびヤリタナゴなどに代わって繁殖しているタイリクバラタナゴは、昭和四十五年(一九七〇)頃から見られるようになってきた。
最近、魚釣り場としての河跡湖(かせきこ)に北アメリカ原産のブルーギルおよびオオクチバス(ブラックバスと呼ぶ大形肉食魚)が人為的に放流され、在来の小型魚が被害を受けて減少傾向にあると言われている。
甲殻類
アメリカザリガニは、北アメリカ原産で昭和五年(一九三〇)にウシガエル(食用蛙)の餌用に移入したものが逸出したもので、埼玉県で昭和八年(一九三三)ころから発見されはじめ、市域付近には昭和十一年(一九三六)に入ってきている。以後、水田を主な生息地として大繁殖したが、やや減少傾向にある。
腹足類
インドネシアのチモール島原産の中型のカタツムリのオナジマイマイは、河川敷や耕作地ときには雑草地で自然繁殖して、キャベツなどの葉菜類や草花に被害を及ぼすことがある。ヨーロッパ原産のキイロナメクジも同様である。
昆虫類
昭和三十五年(一九六〇)ころには、栗の新芽に寄生する中国原産の害虫クリタマバチが侵入し、被害樹の枝は枯れて衰弱が甚だしい所が多かった。その後、この蜂に対する抵抗性を備えた品種を栽培する家が増えて、被害がある程度くい止められた。
同じころ、街路樹や庭園木のソメイヨシノ、プラタナス、カキなどの葉を食害するアメリカシロヒトリが市内各所で猛威をふるいだした。市では殺虫剤の散布を行うとともに、各家庭に発生時期や駆除の方法を連絡し絶滅を期したがそれほどの効果はあがらず、今も市街地を中心に散発的な発生を繰り返している。
昭和六十年(一九八五)ころから公園の芝生を中心にアメリカ原産のシバツトガという小型の蛾が増えており、今では市内全域で発生している。
昭和六十年ころから最も目立つのは、八月下旬から十一月上旬にかけて大声で樹上で鳴きつづけるアオマツムシである。中国南部が原産といわれるマツムシを大きくしたような緑色の昆虫で、街路樹や庭園のサクラ、ウメ、カキなど広葉樹について「りゅーりゅーりゅー」、夕方から明け方近くまで鳴きつづける。
よく晴れた日に腐りかけた生ゴミに好んで集まり、人家内に入りこむ黒色のハチに似たアブがいる。これはアメリカミズアブで大発生する。

写真35 シバツトガ

写真33 シラコバト

写真36 アオマツムシ

図34 アメリカシロヒトリ

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